1993年生まれの有村さんの出世作は、2013年度前期の朝ドラ『あまちゃん』(NHK)。主人公の母の若き日の姿を演じたのですが、昭和にアイドルを夢見て上京する可憐な少女役に彼女がハマり、ブレイクを果たしました。
そして、彼女の代表作もまた朝ドラ。2017年度前期の『ひよっこ』(NHK)で、高度成長期の真っただ中に茨城県の農村で生まれ育ち、集団就職で上京する純朴でひたむきなヒロインを好演。
このように朝ドラの印象が強いため、“有村架純=清純派”のパブリックイメージが形成されたのではないでしょうか。
けれど、有村さんは映画ではもう何年も前から、清純派から脱皮しようとする意思が汲み取れる作品選びをしているように見えるのです。
本命じゃない男、既婚者の教師と…
『ひよっこ』が終了した翌月となる2017年10月に公開され、嵐・松本潤さんが主演、有村さんがヒロインを演じた映画『ナラタージュ』。松本さんが既婚者の高校教師・葉山、有村さんが元生徒の女子大生・泉を演じ、2人の禁断の愛を描いた問題作でした。
高校の演劇部顧問と部員生徒という関係性ながら密かに惹かれ合っていた2人は、泉が大学2年の春に再会。再び気持ちが急接近していくものの、独身と思われていた葉山には、実は離婚が成立していない妻がいることが明らかになっていくというストーリー。
妻の存在を告げられた泉は、まだ葉山のことが忘れられていない状態ながら、自分に想いを寄せてくれている大学生(坂口健太郎さん)と交際するという展開になっていきます。
『ナラタージュ』は、有村さんの清純派イメージを決定づけた『ひよっこ』から転換しようとするスタンスを感じられる作品となっているのですが、その理由は劇中に2回もリアルな濡れ場が用意されていたから。