碧色のエーゲ海に、白亜の街並みが浮かび上がる。南欧の美しい国を訪問中の日本のプリンセスは、首席随員を宿泊先のホテルの一室に呼び出した。「いったい何事か」。慌てて首席随員が参上すると――。

華やかなファッションも話題に

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佳子さまがギリシャを公式訪問

 5月25日から8日間の日程でギリシャを公式訪問された、秋篠宮家の次女・佳子さま(29)。この訪問に首席随員として同行したのが、2013年から17年までギリシャ特命全権大使を務めた西林万寿夫氏(71)だ。

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 西林氏が明かす。

「3月10日ごろに宮内庁からギリシャ随行の打診があり、候補地選びなど準備を進めました。佳子さまが日本国内の専門家からご進講を受けられるのに同席し、その他にも2、3回、宮邸でお会いした。御用掛を通じてやりとりすることもありましたが、佳子さまから直接メールをいただくこともあった。複数名でお話をしている時には発言されなくても、後から連絡が来ることも。いろんな公務の合間を縫って準備をされているお姿からは、今回のギリシャ訪問にかける思いが伝わってきました」

西林氏

 西林氏が秋篠宮家と接するのは、今回が初めてではない。米NY総領事館で勤めていた1990年代には、秋篠宮ご夫妻をメトロポリタン美術館へご案内したこともあるという。

 佳子さまご一行が約22時間もの移動を終えて、首都アテネのホテルに到着したのは、現地時間5月26日の午前3時ごろのこと。当日には早速、鮮やかなブルーのニット姿でパルテノン神殿の修復作業を視察され、日本で勲章を受けた人物らと懇談された。

 翌27日には、アクロポリス博物館を視察後、日本とギリシャの外交関係樹立125周年記念式典にご臨席。日本とギリシャのつながりとして「イソップ物語」を例に挙げ、こう述べられた。

皇室と「イソップ物語」のゆかり

「今回の訪問をきっかけに『北風と太陽』など、子ども時代に読んだ『イソップ物語』を久しぶりに読み返しました」

 西林氏が振り返る。

「『イソップ物語』は佳子さまが深い関心をお寄せになったギリシャ文化の一つ。スピーチの原稿は、佳子さまご本人を含め大使館員など複数の関係者で作成されましたが、『イソップ物語』に言及したいという佳子さまの強いご要望が反映されました」

 実は、皇室と「イソップ物語」のゆかりは深い。「昭和天皇実録」によると、子ども時代の昭和天皇は側近に一日何度も「イソップ物語」の読み聞かせをせがみ、自身でも「裕仁新イソップ」と銘打った物語を創作。筋金入りの「イソップ物語」ファンであることが明らかになっている。

「昭和天皇実録」にもイソップ物語が