「ヴィオラは4艇持っています。1挺はアメリカのトランプ前大統領からプレゼントされたもので……」

 アールデコ様式が美しい英ロンドンの名門ホテル。6月27日夜、この1階で、天皇が約40年前の学友、フィリップ・ウィットモア氏(64)に語りかけておられた。暫くすると侍従が部屋をノックし、紅茶が供される。互いの共通の趣味である音楽談義は約20分に及んだ。

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英国を公式訪問された天皇皇后

 ウィットモア氏は振り返る。

「前日に突然、日本大使館から『天皇陛下が会いたいと仰っている』とメールをいただいて、驚きました」

 6月22日から8日間の日程で英国を公式訪問された天皇皇后。

「2020年に故エリザベス女王の招待で、即位後初めての海外訪問先として英国が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で延期になりました。今年に入り、改めてチャールズ国王の招待を受けたことで実現したのです」(宮内庁担当記者)

晩餐会でチャールズ国王、カミラ王妃と

 今回の訪英の重要性について、英国王室に詳しい関東学院大学教授の君塚直隆氏が解説する。

「22年のエリザベス女王の国葬や、昨年のチャールズ三世の戴冠式とは意味合いが大きく異なります。国葬や戴冠式は、あくまで大勢のゲストのうちの1人。一方で今回は、天皇皇后両陛下は国賓として招待されました。英国との連携強化のためにも、非常に重要なご訪問でした」

 そんな中で懸念されていたのが、依然として適応障害による療養生活が続く雅子さまのご体調だ。

「昨年のインドネシア訪問とは異なり、今回は主治医である大野裕医師が随行する念の入れようでした。その結果、国賓としての公式行事には全てご参加。特に、現地時間25日にバッキンガム宮殿で開催されたチャールズ国王夫妻主催の晩餐会での晴れやかな表情は日本のメディアでも大きく取り上げられ、『完全復活も近いのでは』と期待する声も上がりました」(前出・記者)