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正直に言えば、フワちゃんを袋叩きにする状況が続くのは意外だし、褒められる内容ではないとはいえ、ここまで火炙りになるほどとは思えない。もちろん、リンチを肯定するわけにはいかない。けれども、ネットから生まれたスターは、その苦しみを飲み込まなければならないほど、危うい。そう考えるしかないのかもしれない。

※太田省一『マツコの何が“デラックス”か?』朝日新聞出版、2018年、207ページ

鈴木 洋仁(すずき・ひろひと)
神戸学院大学現代社会学部 准教授
1980年東京都生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(社会情報学)。京都大学総合人間学部卒業後、関西テレビ放送、ドワンゴ、国際交流基金、東京大学等を経て現職。専門は、歴史社会学。著書に『「元号」と戦後日本』(青土社)、『「平成」論』(青弓社)、『「三代目」スタディーズ 世代と系図から読む近代日本』(青弓社)など。共著(分担執筆)として、『運動としての大衆文化:協働・ファン・文化工作』(大塚英志編、水声社)、『「明治日本と革命中国」の思想史 近代東アジアにおける「知」とナショナリズムの相互還流』(楊際開、伊東貴之編著、ミネルヴァ書房)などがある。