太田 うちはベビーカーを持ってないので外では抱っこ紐を使ってるんですが、そのときの抱っこは90%僕ですね。仕事柄、機材とか重いものを運ぶのは得意な方なので(笑)。コムちゃんにはやっぱりおっぱいをあげるという大役があるし、それ以外の部分で僕が担えることは多めにやらないと、と思ってます。

コムアイ おっぱいあげ終わったら、はい! って渡してます(笑)。

 役割分担もしないし。不思議と、分担しなくてもどっちかがやるから今のところ問題ないです。「明日打ち合わせがあるんだけど、その間見ててくれる?」みたいな、ダブルブッキングにならないように話したりはします。

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太田 お互いが異常に忙しくなって子育てに手が回らなくなるような仕事量が降ってくるってことは今のところはないですけど、もしそうなったとしても、自分たちが壊れないようにやり方を考えますし、「できません」って言うこともあると思います。

 

改めて、自分の親とは違う親になるんだな、と

ーーでも、そうしたスタンスで子育てができるのは、おふたりがフリーランスであるからですよね。

コムアイ そうなんですよ! ほんと、そう思います。

太田 だから、僕らみたいな働き方をしていない方たちは、得られる制度的メリットはすべて享受して当然だと思いますし、それを「周りに迷惑が掛かるから」みたいに気にすることなく享受できるような雰囲気にしていかないと。

コムアイ ドイツでは3年ぐらい育休があるらしいですが、日本も、せめて1年くらいは2人がかりでのんびり赤ちゃんと遊びながら過ごしても大丈夫なようになってほしいなって思いますけどね。双子だったら、親が3人必要なんじゃ?! と思いました。

ーー家族観や育児に対する考え方は、家庭環境が反映されていたりしますか。

コムアイ うちの実家はサラリーマンの家庭なので。両親はクラシックな結婚式を挙げてるし、父親は同じ会社に新卒から定年まで勤めて、母も専業主婦で。小さい頃は、「私もお嫁さんになるんだー」と思ってたと思います。でも、放任主義だったんですよね。とにかく、自由に生きなよって言ってくれたので、生き方も価値観も変えながらここまで来ちゃったんです。

 だけど、母親になるのはすごく怖かったです。うちの母はお母さんや主婦を楽しんでいたかもしれないけど、娘として「母になるということは、これだけのことを求められるのか」「母親って、こんなにいろいろ我慢しなきゃいけないの?」みたいなものをいっぱい目にしてきて。

 私は専業主婦になりたいタイプじゃないだろうと思いながらも、どこかで「母親になる=うちの母のように生きる」と考えているのが抜けなくて。でも今はそんなの吹っ飛びましたね。改めて、親とは違う親になるんだな、と。それを見つけていくのが楽しいです。