4月26日午後2時、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。

 急きょ開かれたTOKIO山口達也(46)の謝罪会見は、直前に告知されたにもかかわらず、会場の「鶴の間」に報道陣200人以上が詰めかけた。ジャニーズの人気タレントが「中高生向け番組で共演した女子高生へ強制わいせつ」という前代未聞の事件。当事者の弁明を聞こうと、私も会場に入ろうとしたが、いきなり入場に待ったがかかった。黒スーツの男たちの間から出てきたのはジャニーズ事務所の幹部だ。私は旧知の間柄ゆえ挨拶を交わすと、「(取材は)だめだよ」。

 ジャニーズ事務所の会見は、好意的な報道をするメディアのみを受け付けるのが基本。しかし今回はれっきとした刑事事件で、未成年の女性が被害者である。幹部が「(あなたは)悪い記事ばかり書いているじゃないの」と言うので、「そんなことはありませんよ」と穏やかに説明すると、「おお、こわいこわい、脅かされちゃったわ」と芝居がかった言葉を発した。私は感情的になるはずもなく、「失礼しました。ならば帰ります」と頭を下げた。が、最後に、週刊文春や週刊女性、日刊ゲンダイ、東京スポーツ、サイゾーなどの“不都合なメディア”がすでに会見場に入っていることを告げると、ようやく取材を許可された。「変なことを聞くんじゃないぞ。メリー(喜多川)さんに言いつけてやるから」といやみを言われたが……。

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4月26日に都内ホテルで行われた謝罪会見 ©文藝春秋

二重三重に守られた山口

 はたで見ていると嫌がらせに思えるくらいの執拗なメディア規制によって、会見場の山口達也は二重三重に守られていた。ジャニーズ事務所に、また本人に傷がつかないよう、ヤメ検の有名な弁護士が同伴し、本人が説明しにくいことや失言がないよう、保護者代わりに報道陣からの質問に答えていた。しかし本来の“保護者”であるジャニーズ事務所経営者は姿をあらわさず、ともに謝罪することはなかった。

 まず弁護士から経緯が語られ、「当日、本人は相当酩酊状態で、記憶が若干明確でない状態ではあるが、被害者にキスをしたことは間違いありません」とし、示談が成立している被害者の親のコメントが読み上げられた。