NHK・Eテレで共演した未成年女子への強制わいせつ事件。山口達也(46)の不祥事を受けてTOKIOメンバーが記者会見を行う。グループの結束力は人気番組「鉄腕DASH」などからもよくわかり、「メンバーの人柄の良さはジャニーズで一番」(芸能記者)という評判だが、今回そろって会見するとなると、SMAPが解散危機を報じられ、世間をお騒がせしたと謝罪した“あの光景”を思い出してしまう。いまでも思う。あれは謝罪せねばならなかったのか。それともさせられたのか——。
ジャニーズは、仮にタレントに不祥事があったとしても、経営者は絶対に人前に出てこない。彼らを幼少期から育ててきた“保護者”なのに、不都合があると、“子どもたち”(=タレント)のせいにして終わりだ。それに追随するメディアや迎合する大人たちにも責任はあるだろう。今回のTOKIO山口の件も、SMAP解散も、問題の本質は“子供たち”に責任を負わせる体質にあるのではないか、と私は考える。
『2017年の論点』(文藝春秋)に寄稿した「SMAP解散 ジャニーズ暴走に沈黙する大メディア」。SMAP解散時に露呈した、ジャニーズと、ジャニーズを取り巻くメディアの問題点を指摘した記事だが、今回の問題と根っこは同じである。あらためてここに掲載したい。
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SMAP解散の衝撃
「世界に一つだけの花」で知られるSMAPが、2016年末をもって解散する――。解散がジャニーズ事務所から報道各社に伝えられたのは同年8月14日未明。寝耳に水で、テレビ各局はすぐさま速報テロップを流し、NHKはリオ五輪中継を中断し、約2分間の臨時ニュースとして報道した。リーダー中居正広は「このような結果に至った事をお許しください」。木村拓哉は「この度の『グループ解散』に関して、正直なところ本当に無念です」とコメント。折しもデビュー25周年、記念ツアーも予定されていただけにファンからは悲鳴に似た落胆の声があがり、各界からも解散を惜しむ言葉が数多く寄せられた。
ひるがえって2016年1月、日刊スポーツとスポーツニッポンが「SMAP解散危機」として、木村を除く4人が退社する飯島三智マネージャーに従い独立を画策していると報じ大騒動に。それは、安倍首相が参院予算委員会でSMAP存続を期待する発言をしたほどだった。造反組4人はジャニー喜多川社長に謝罪し、元のさやに収まることで一応の決着をつけ、「SMAP×SMAP」で5人全員が並び謝罪したのは記憶に新しい。だがその7カ月後、急転直下の解散となった。私は文藝春秋3月号の「SMAPを壊した独裁者メリー」という記事で契約更改の9月を目途に一波乱あると書いたが、残念ながら予言通りとなった。
いったいなぜこんなことになったのか。