前作の主人公とは別人であることが分かる演技
二宮さんに求められているハードルが高いのは言わずもがな。
同じ世界観で周囲の主要キャラも同じなのに、自分だけが新キャラ。しかも前作とは真逆のタイプの主人公像ならば演じ分けもしやすいでしょうが、“性格に難ありの天才外科医”というキャラクターのアウトラインは同じなので、ディテールでの差別化が必要というセンシティブな演技が求められているのです。
ただ、そこはさすが演技派で知られるだけあります。
今作の主人公・天城は「さあ、ショータイムだ」、「僕は悪魔だよ。神に愛されたね」、「だってオペは芸術だもん」といったアーティスティックな発言が多いキャラ。それらのセリフを二宮さんがいい意味で厭味ったらしく言い放つため、前作の主人公・渡海とは別人なのだと、すぐに視聴者に刷り込ませることに成功しています。
また、天城の言動からはちょっと過剰なナルシシズムも感じられるため、役者の演技プラン次第では一歩間違えるとコントのように見えてしまうリスクもある役どころ。しかし、そのときどきで硬軟使い分ける二宮さんの絶妙な塩梅のテンションにより、シリアスな作風を成立させているのがすごい。
今回の主演ドラマ『ブラックペアン シーズン2』が大ヒットのまま幕を降ろせば、二宮さんの新たな代表作となり、彼の役者人生のターニングポイントの一つに数えられるようになるのではないでしょうか。
冠番組『ニノさん』が今秋からゴールデンに
役者として絶好調で主演中の連ドラが転換点となりそうな二宮さんですが、そのほかの出演番組も絶好調。
トーク番組『だれかtoなかい』(フジテレビ系)では、今年2月から3月の短期間でしたが中居正広さんとのタッグMCで大きな話題を集めていました。また同じく短期間の番組ながら、今年4月から5月に全6回放送されたクイズ番組『クイズ 多い方が勝ち!』(日本テレビ系)でも、MCに抜擢されていたのです。
そして、これから大きなターニングポイントを迎えるのが冠バラエティ番組。個人では初の冠番組として2013年にスタートした『ニノさん』(日本テレビ系)です。
栄枯盛衰が激しいバラエティ業界において、12年目に突入している人気番組で、現在は日曜午前中に放送されています。
そんな『ニノさん』が10月から金曜夜のゴールデン帯に進出するのです。
グループでは『VS嵐』(フジテレビ系)、『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)といった冠ゴールデン番組を持っていましたが、二宮さん自身の冠番組のゴールデン化というのは、感慨深いものがあるのではないでしょうか。