「正座して、手を後ろに回して、目を閉じて」田村父娘の“疑似SMプレイ”
「瑠奈被告と女装愛好家のAさんが、ススキノのクラブ閉店イベントで知り合ったのは昨年5月末のこと。意気投合した2人はラブホテルへ行き、複数回の性行為に及んだが、最後の行為でAさんが避妊具をつけなかったことに瑠奈被告が『約束を破った』と激高。これが事件の発端とされています」(同前)
修被告と浩子被告は、娘の殺意や殺害計画には気づかなかったと主張しているが、
「この日の公判では、修被告が事件前に『ハイターで指紋は消せる』『スーツケース耐荷重100キロ』とネット検索した履歴があったことや、浩子被告が『そういえば車のGPS記録は残りますか?』と修被告にLINEし、削除していたことなどが、検察側の証拠説明で明らかになった」(同前)
いずれにせよ、両親が結果として、瑠奈被告が犯行を完遂する“お膳立て”に加担していたことは確かだ。
Aさんの“殺害映像”に酷似したシーンのあるホラー映画が借りられた同時期には、札幌市内の田村家の自宅で「デモンストレーション」と称した、親子によるSMプレイが実演されていた。
「(瑠奈被告に)自宅のリビングの真ん中で『正座して、手を後ろに回して、目を閉じて』と言われました。『手錠と目隠しをしていると思って座って』と。背後からモゾモゾする気配があり、スカーフで頬や首筋をサワサワと触られる感触がありました」(前回証人尋問時の修被告の証言)
父娘によるおぞましき疑似SMプレイは、犯行の予行演習ともいえた。昨年7月1日夜、現場となったラブホテル。ボディラインが強調された黒の女王様風衣装に身を包む瑠奈被告は、SMプレイを装ってAさんを浴室に誘導すると、アイマスクで彼の視界を塞ぎ、両手を後ろにさせて手錠で拘束、ハンディカメラを準備した。
「お姉さん(Aさん)が一番反省しなきゃいけないのは、私との約束を破ったことでしょ」
そう言って瑠奈被告は、Aさんの背後から右頚部に何度も折り畳みナイフを突き立てた。挙句に出血性ショックで絶命したAさんの頭部を、用意していたノコギリで切断。車で待機していた修被告を呼び出し、頭部を自宅に持ち帰ったのである。
「なお、殺人、死体損壊、死体領得、死体遺棄の4つの罪に問われている瑠奈被告と、その4つの幇助の罪に問われている修被告は今後、分離して裁判員裁判で審理される予定です。日程はまだ決まっていません」(前出・司法担当記者)
浩子被告の次回公判は10月1日。延期となった修被告の証人尋問の続きが行われる予定だ。
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