昨夏、北海道札幌市の繁華街ススキノのラブホテルで、恵庭市の会社員Aさん(当時62)の首なし全裸遺体が発見され、娘とその両親――、田村瑠奈(30)、父の修(60)、母の浩子(61)の3人が逮捕された事件。8月30日、死体遺棄幇助、死体損壊幇助の罪に問われている浩子被告の第3回公判が、札幌地裁で行われた。

田村瑠奈被告

「前回に続き、瑠奈被告の父で精神科医の修被告の証人尋問が行われる予定でしたが、同被告のコロナ陽性が判明したため、出廷は中止に。この日は、検察側が提出した証拠の読み上げを行い、25分足らずで閉廷しました」(司法担当記者)

 だが、検察が提示した証拠からは、瑠奈被告が犯行前に視聴したとされる残虐なホラー映画のタイトルが明かされている。

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犯行前に観た“残虐ホラー映画”

 1つが、2016年にアメリカで制作された「テリファー」だ。ピエロに扮した殺人鬼「アート・ザ・クラウン」が、ハロウィンの夜に殺戮を繰り返すストーリー。続編では、あまりの残虐描写に、映画公開時、失神や嘔吐する者が続出したとされ、近く第3弾もアメリカで公開される。

「テリファー」(2016年、米国)
「テリファー 終わらない惨劇」(2022年、米国)

 もう1つは、アメリカ制作で2017年に公開された「レザーフェイス-悪魔のいけにえ」。ホラー映画の古典「悪魔のいけにえ」(1974年)の流れをくむ作品で、人面の皮で作ったマスクを被る殺人鬼「レザーフェイス」が誕生する前日譚を描いている。

「レザーフェイス悪魔のいけにえ」(2017年、米国)

 瑠奈被告と修被告が、これらのホラー映画を市内のレンタルビデオ店から借りたのは、Aさんが殺害される10日前の昨年6月21日。検察側の説明によれば、両作品にはともに人間の頚部を切断するシーンがあり、瑠奈被告がAさんを殺害する際、ハンディカメラに録画していた犯行状況と酷似していたという。となれば、瑠奈被告が犯行の参考にした可能性は高い。