「メダルを獲った翌日にパリのJOCの拠点で本人と会うことができました。『良かったなぁ』と声を掛けると『良かった、良かった』とホッとした様子だった。やはり3位と4位では大きな差がありますから」

 そう話すのは、秋田県八郎潟町の清源寺で住職を務める志田(けん)(しよう)さん(58)。バドミントン女子ダブルスで銅メダルを獲得した志田()(はる)(27)の父だ。

一躍ニューヒロインになった志田千陽

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チャーミングな振る舞いで人気沸騰

 パリから帰国後は、1学年下の松山奈未(26)と組んだ“シダマツペア”で、テレビ番組から引っ張りだこの志田。その愛らしいルックスはもちろん、試合中に舌を出したり地団駄を踏んだりするチャーミングな振る舞いが取り上げられ、人気が沸騰している。

「志田のインスタグラムのフォロワー数は準決勝前が48万人程度でしたが、いまや100万人に迫る勢いです」(スポーツ紙デスク)

中国やインドネシアでも絶大な人気を誇る

 一躍ニューヒロインとなった彼女がバドミントンを始めたのは、幼稚園の年長だった6歳の時だった。憲昭さんが振り返る。

「幼少期からとにかく運動神経が抜群。小1か小2の頃、千陽を連れて仙台に実業団の試合を観に行ったんです。オグシオさん(小椋久美子、潮田玲子)が出ていて、娘が『私も将来(2人が所属していた)三洋電機に入りたい』と言ったことをよく覚えています」

 以来、地元のクラブチームに所属して練習に励むようになる。小4の時に、早くもシングルスで全国大会3位に。当時指導していた(かぶと)()甚一監督が言う。

「あの子は跳ぶ、走るなどの動作が抜きん出ていて、シャトルランをやらせるとすごい記録が出るんです。あまりに強すぎて、同学年の子たちから『千陽とは試合したくない』と言われてしまうほど。それで年上の男子と試合をしていました」