パリ五輪のスケートボード・女子パークの決勝が行われ、15歳の開心那(ひらきここな)が2大会連続となる銀メダルを獲得した。東京五輪の金メダリスト四十住さくらは予選敗退、五輪初出場で予選3位だった16歳の草木ひなのは、3回ともに空中技で失敗し、8位となった。

銀メダルの開心那 ©JMPA

タイトなウェアで優雅な滑りを披露した開

 3年前、12歳で臨んだ東京五輪の姿から大きく成長し、長髪を靡かせ、スラッとしたモデルのような体型で、他とは一線を画すトリックを繰り出した開。タイトなウェアに身を包むことで、優雅な滑りはさらに強調されていた。

 開は、北海道虻田郡倶知安町で生まれ、苫小牧市に在住。5歳でスケートボード競技を始め、札幌にある室内スケートパーク、HOT BOWLに通う生活を送るのだが、ここでの生活が今の彼女を作り上げたといっても過言ではない。

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銀メダルの開心那 ©JMPA

 当時10歳ながら7位に入賞し、世界的に名前を知られるきっかけとなった、2018年の中国開催の「VANS PARK SERIES」。

 他の選手と比べて、かなり年齢が低いこともあり、現地のスタッフにも可愛がられたのだが、当時彼女の着ていたTシャツに書かれていたメッセージが「49% MOTHER FUCKER 51% SON OF A BITCH」だった。

 わずか10歳の少女が言葉の真意まで理解して着ていたわけではなかったと思うが、もともとストリートカルチャーをルーツに持つスケートボードコミュニティにおいては「お前、そのTシャツクールだな!」と笑って受け入れてもらうことができ、コアな世界へと入り込んでいったんだそう。

 スケートボードの世界ではスキルはもちろんなのだが、それ以上に“個性”が重要だということがわかる。「上手いよりもカッコいい」そのセンスがずば抜けていたのだろう。

 開をサポートし遠征に帯同していたMBM park builderの木村將人さんは楽しそうに話す。