「うちの子が22歳の女の家に泊まりっぱなしになっている。様子を見に行ってほしい」。罪状は、強制性交容疑や児童ポルノ製造、児童福祉法違反…。なぜ22歳のシングルマザーは、小6男児に恋をし、罪を犯してしまったのか? ノンフィクションライターの諸岡宏樹氏の著書『実録 女の性犯罪事件簿』(鉄人社)より一部抜粋してお届けする。なお本書の登場人物はすべて仮名であり、情報は初出誌掲載当時のものである。(全2回の1回目/後編を読む)

写真はイメージ ©getty

◆◆◆

被害者は小6男子

 事件が発覚した経緯は、110番通報ではなく、地元の警察署にかかってきた1本のタレコミ電話だった。

ADVERTISEMENT

「うちの子が22歳の女の家に泊まりっぱなしになっている。様子を見に行ってほしい」

 それは“被害者”となる小6男児の福本拓也(12)の家族だった。捜査員が問題の県営住宅の一室を訪れると、成人の女と小学生の男児がいた。女が「前日の午後11時頃にセックスしました」とあっさり認めたため、その場で御用となった。男児は必然的に保護された。

「君の家族から電話があった。家はどこにあるんだ?」

「○○県××市です」

 それは300キロ以上も離れた地方都市だった。

「学校はどうした? 家出してきたのか?」

「ハイ」

「どういう経緯でこんなことになっているのか、詳しく事情を聴かせてもらおうか?」

 女は自称通信販売会社パート従業員の長澤佑香(22)。年相応に見える、水準以上の美人だった。2人はスマホで遊べるオンラインゲームの『荒野行動』で知り合っていた。『荒野行動』とは、およそ100人のプレーヤーが無人島に降り立って、最後の1人まで戦闘を繰り返していくというバトルロイヤルゲームだ。

スマホのオンラインゲーム『荒野行動』(画像:GooglePlayより)

 チーム戦もあり、一緒にゲームをするうちに男女がカップルになっていく。実際にツイッターやLINEの連絡先を交換して、現実の恋人同士になってしまうケースも多い。

 いわば、出会い系サイトが形を変えたようなオンラインゲームだ。

 2人はゲームの中でカップルになり、約4カ月前に連絡先を交換。LINEでは卑猥なやり取りばかりしていたという。

 被害児童とされる拓也は佑香から性行為の仕方や卑猥な言葉の意味を教わっていた。