2024年6月、ゴルフ界のレジェンド、青木功氏(82)がプロ生活60年の節目を迎えた。その生きるレジェンドが自らのゴルフ人生を、華麗なる人脈とともに振り返る、インタビュー連載第1回が、9月10日(火)発売の「文藝春秋」10月号に掲載される。

 その中で青木氏が回顧したのが、今まさに米大統領選挙戦をたたかうドナルド・トランプ氏とのゴルフだ。2019年5月、トランプ氏と安倍晋三首相(当時)のラウンドに帯同し、日米首脳のゴルフ外交に一役買ったことが大きな話題となった。

青木功氏 ©文藝春秋

「アオキはパットの名人だ」

「あの時は、外務省を通じて安倍さんから電話がかかってきた。『プレーするならどこがいいですか』と聞かれたので、『安倍首相は誰と(ゴルフを)やるのですか』と尋ねるとトランプ大統領だというんだ」

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 2017年に来日した時、トランプ氏は「アオキはパットの名人だ。今度は彼とやりたい」と語っていたという。

 米国やアラブ首長国連邦、スコットランドなどでゴルフリゾートを経営し、自身もゴルフを愛好するトランプ氏は、米大統領史上もっとも巧みなゴルファーと言われる。真偽不明とされているもののベストスコアは自称64。2019年5月26日のプレー当日、トランプ氏はツイッター(現X)でこう呟いた。

《まさに今@AbeShinzo とゴルフをプレーする。日本人はこのゲームが大好きだ》

「カートの中で真剣に政治の話を……」

「トランプさんは、私のマネジャーの村田一治を気に入って『おいカズ、ここから何ヤードある?』『どっちから風が吹いている?』と、ことあるごとに彼に意見を求めていた。私も安倍さんに『先生、こっちで打つとあそこに落ちるから、あそこへ行った方がいいですよ』といった具合にアドバイスさせてもらったが、プレー以外の話をする余裕はなかったなあ。