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仕事がなく学校に行くのが辛かった

――堀越学園出身ですが、芸能コースなのに毎日学校に通っていたことが恥ずかしかったそうですね。

森口 本当は学生だから通うのが正解なんですけど、芸能コースにいると「仕事に行きたいのに何で出席しているんだろう」と寂しさや孤独を感じてました。同級生には井森(美幸)とか、荻野目(洋子)ちゃんとか武田久美子ちゃんがいたんですけど、彼女たちはほとんど学校に来ていなかったですし。

 仕事がなく学校に行くのが辛くて、忙しいふりをして偽の早退書を出し授業をさぼったりもしました。でも行くところがないから下宿先の近くの教会でマリア像をずっと見て時間を潰したり。辛かったですよ。

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 高校卒業間近に事務所から「あの子は売れないから、福岡に帰した方がいい」とリストラ宣言を受けました。その時も「売れないんじゃなくて、売ってないんじゃないですか?」ってこの時も子供ながらに思っていました。

©深野未季/文藝春秋

バラドルとして活躍しながらも「絶対歌につなげるんだ」

――森口さんはリストラ宣告を転機にバラエティー番組に進出し、結果バラドルとして人気を博します。

森口 事務所の上層部はリストラしたがっていたんですが、有り難いことに私を信じてくれた現場のマネージャーさんたちが「いきなり歌じゃなく違う世界でやるという方法もあるから」って言ってくれて。それでバラエティーをやりながら「この先には歌があるんだ、絶対歌につなげるんだ」って気持ちでやっていました。そのためには絶対手を抜かないって決めて始めました。

 歌は私の生命線です。バラドルで忙しかった時も社長室にノックして「歌の仕事を増やしていただけないんだったら、事務所を辞めるつもりでいます」と言いに行ったことがあります。

――バラエティーで活躍した時に再びガンダムの曲とめぐりあいます。1991年に映画「機動戦士ガンダムF91」のエンディングテーマ「ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~」がオリコン最高9位とヒットし、その年の紅白歌合戦にも出場します。

森口 デビュー曲はガンダムの主題歌で、その後にリストラ宣告に遭いながら、バラエティー番組の先には歌があると信じてやってきて。そこで再びガンダムの主題歌を歌わせていただき、原点に帰って来れたという喜びがありました。この曲で初めてオリコンウィークリートップ10入りをして、紅白歌合戦に出場できましたし、アイドル時代には経験できなかった全国ツアーにつながって。やっと歌手としてスタートラインに立てたって思いました。