8月7日に発売されたアルバム「ANISON COVERS 2」のジャケットで34年ぶりにビキニ姿を披露したことでも話題となっている歌手の森口博子さん。アルバムは、オリコン週間アルバムランキング8位、Billboard JAPANトップアルバムセールス週間ランキング5位を獲得とヒット中だ。

 そんな森口さんに新旧のアニソンをカバーし続ける「ガンダムの女神」にアニソンの変化、そして素晴らしさについて聞いた。(全3回の2回目/最初から読む

森口博子さん ©深野未季/文藝春秋

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「水の星へ愛をこめて」の歌詞から学んだこと

――森口さんのデビュー曲「水の星へ愛をこめて」の歌詞は哲学的で、逆に言えば解釈が難しい曲です。17歳の頃と、今では解釈が違いますか。

森口博子さん(以下、森口) デビュー当時はとにかく地球に愛を込めてと純粋に一生懸命歌っていましたね。大人になって売野雅勇さんの歌詞を読み返したときに「時間(とき)という金色のさざ波は宇宙(おおぞら)の唇に生まれた吐息ね」という壮大で美しい世界に失神しそうな程、心が震えました。天地創造の世界だと。私なりに感じられるようにやっとなってきた。本当に深い歌詞なので、歳を重ねるごとに深まっていきます。

「人はひとりではいられない」という歌詞が刺さります。社会で色々なことが起こっても絶望することはないんだよって。絶対1人じゃないから嘆いているだけではいけないんだって、大人になってあの歌詞から学びましたね。

――ガンダムの生みの親である富野由悠季監督から歌に関してアドバイスをもらったことはあったのでしょうか。

森口 監督からは「上手に歌おうと思わなくていいからね」と言っていただきました。ガンダム生誕35周年コンサートでお会いした際には、私も大人になっていましたが、監督が「主題歌をもらった時のその時の気持ちをいつまでも忘れなければ、声が大人になることはなんの問題もありません」っておっしゃってくださって。すごく楽になりました。