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私も歌で誰かを救える表現者でいたい

――森口さんご自身の歌も影響を与えていますよね。同じ福岡出身の氷川きよしさんが歌手を志すきっかけは森口さんの歌だったとか。

森口 そうですね。氷川くんは小・中学校の後輩で、私がテレビで「ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~」を歌っているのを見て、歌手になるって決めたそうです。それまで内気な少年でクラスのみんなと打ち解けなかったんだけど、ある時「ETERNAL WIND ~ほほえみは光る風の中~」を歌ったことで打ち解けられて「人生を支えてもらった曲です」と言ってもらえました。

 自分が歌ってきた曲が誰かの人生に寄り添って、何かのきっかけになれる。音楽の力ってすごいなと思います。私も小学校2年生の時に両親が離婚して母が女手一つで4人姉妹を育ててくれたんですけど、音楽があったから、歌があったから生きていけた。そして歌に助けられてサバイバルな環境も乗り越えられました。私も歌で誰かを救える表現者でいたいですね。

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©深野未季/文藝春秋

――すべてが数珠繋ぎなんですね。

森口 そうなんです。アニメって、アニソンって本当に人の夢をどんどん叶えてくれる。高校生の頃に事務所のリストラ宣言にあったり悔しい思いをしたけれども、その先には歌があって、再びガンダムがあって。すべてちゃんと繋がってます。

 アニソンの感動はエンドレス。だから先入観とか、固定観念とかで聴かないのはもったいないと思うんです。日本のメディアも、もっともっとというとあれかもしれないですけど、良い曲がたくさんあるからたくさん取り上げてほしい。ヒット曲に限らず、隠れた名曲などもどんどんフィーチャーしてほしいなと思います。