「Bも陰茎を出し、笑っていた。私は『ちゃんと、シコっているのか?』と言いました。Bは『わからないです。やったことがないです』というのです。それで『遅いのではないか?』と私は慌てた。なんとかしてあげようと思い『シャワー室あるからやってみれば?』と言った。このときの動画は、私が教えるような内容になっている」
Cくんが全裸の動画を撮影される被害を受けたのは、21年7月11日だった。
「Cは普段から、全裸でポーズを決める動画を撮っていた。前日の練習でも、陰茎を露出して笑っていた。このときは学校長らが練習を見にきていたので、部員たちに『お客さんがいるので、全裸にならないように』と言った。しかしCが裸になってふざけていたので『さっき、指導したじゃん』と注意した。しかしCは『すいません』と言いながら陰茎を露出していた。その後、LINEで『ONとOFFをわけてくれ』と部員たちを再度、注意した。私自身、部員たちとふざけるのは、OFFの一部だと思っていた」
検察官に「(Cくんの裸の)動画を保存したのは、楽しむため?」と聞かれると吉田被告は否定したが、「曝け出せ、とか、一皮剥ける、とか言っていたが?」とさらに詰められ、「面白い動画を撮っているという認識だった。エスカレートした結果だ。反省している」と発言した。
10代の少年の裸の映像は吉田被告にとっては「面白い動画」なのだろうか。
「『一皮剥けるだろう』と言った。つまり全裸になれるだろうとの意味」
Dくんも23年8月1日に撮影された全裸の動画を吉田被告に所持されていた。
「Dの先輩は、自分から下ネタ動画を送ってくる人だった。それで先輩もしているのだから、Dもできるだろうと思い込んでいた。だから『一皮剥けるだろう』と言った。つまり全裸になれるだろうとの意味。人前で表現することは、競技の性格上、必要なこと。成長してほしいという気持ちがあった。人格を考えずにしてしまったが、要求したわけではない」
このDくんの全裸動画撮影についても、吉田被告は「わいせつという認識はなかった」と証言した。
「当時は笑いの動画であり、(総監督という)立場を理解しておらず、笑いとして認識していた。芸人がしているもの、同級生同士がしているもの、私が関わっているものは、いずれも一緒のものだと思っていました。私は、彼らの仲間だと思っていました」(吉田被告)
修徳高校のサッカー部では、全裸の動画がなぜこれほど気軽に撮影され、保存されているのか。