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“19億円の土地”が無償貸与された親密企業

 そのうち国定氏と関係が深いのがA社だ。

「国定氏の後援企業の一つであるA社の社長は、国定氏の意を受けた市幹部から『何も建てなくて良いから5年間タダで使ってくれ』と誘われたと話していた。実際、A社は2021年7月、一番乗りで契約を結んでいます」(不動産関係者)

 優遇された親密企業はA社だけではない。国定氏の前の市長で、国定氏の後ろ盾となっていた髙橋一夫氏がかつて社長を務めていた株式会社「髙儀」も優遇措置を受けていた。

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「工業団地の中でもっとも広大な約843万平米、約13億円相当の土地を無償で貸与されることになった」(三条市関係者)

「国定勇人後援会」の政治資金収支報告書によると、2020年6月11日と21年4月15日、髙橋氏から150万円ずつ献金を受けている。また同年4月13日、「髙儀」は国定氏が代表を務める「新潟県第四選挙区支部」に150万円を献金している。

 あわせて約19億円にも達する、“国定氏の親密企業”への土地の異例の無償貸与。一体、何が起きているのか。

契約書の内容と相違する認識を示した

 髙橋氏に電話で取材を申し込むと「いま県外にいて回答は無理。後日回答する」と話した。他方、A社の代表取締役は取材に対し、電話口でこう答えた。

「三条市から勧められて土地の確保の予約をしただけですから。三条市が『栄工業団地を作ったからいかがでしょうか』と言われた。ただ、私どもはすぐ使う予定はないけど『予約だけしましょう』ということで、予約だけした。だから、建物を作るときに全部お金払うっていう約束なんだよ。それまではちょっと保留にしておいてくださいってことですよ」

 このように契約書の内容と相違する認識を示すのだ。

「(同契約書については)把握してない。みんなそうですよ。他のところもおそらく。探したんだけど、見つからねえんだよな。これからどうするかなんて約束してないからね」

 国定氏に質問状を送ったが、期日までに回答はなかった。

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 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、土地契約をめぐる疑惑だけでなく、髙橋氏から国定氏の妻に贈与された一軒家の自宅など、国定氏の疑惑を詳しく報じている。

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