加藤勝信さんのパステルカラーは「女系家族のお父さん」か
加藤勝信さんは明るいパステルカラーのネクタイをよく締めていて、柔らかな印象です。4人の娘を育てた「女系家族のお父さん」像を投影しているようでもあります。
ネット上でつけられた「たわし頭」というニックネームを自虐ネタにしているのも、親しみやすさを演出することに成功しています。「新しい自民党」と言葉にするよりも、外見や話し方でこそ伝わるものもあるのです。
河野太郎さんの光沢素材はデジタル庁への誇りを感じる
河野太郎さんの特徴は、ネクタイに表れています。光沢のある素材で、ソリッドという格の高いネクタイを、日常のスタイルに崩しながら使い分けています。光沢のある素材を選ぶことも多く、「鮮やか・斬新」という印象を与えます。
マイナンバーへの言及も多く、デジタル庁での仕事をアピールしたいという意図があるのかもしれません。
茂木敏充さんのピンストライプは「総理のイメージ」を表現
茂木敏充さんといえばネクタイは、かつては幅広のストライプの印象が強くありましたが、この総裁選では光沢のある水色のソリッド×ピンストライプスーツを着こなしています。候補者の中で、ピンストライプのスーツをメインで使用しているのは茂木さん1人だけです。
ピンストライプは少し派手な印象もありますが、自民党の総裁室に掲げられている歴代総裁の写真を見ると、実は半数近くがピンストライプのスーツです。茂木さんのスーツのチョイスも、「自民党の総裁感」を演出することを狙っているのかもしれません。
誰に投票するかは、見た目にも大きく影響される
今回は9人と候補者が乱立する中で、イメージによる差別化の必要性がきわめて高い総裁選になりました。
実際に、候補の方々も急遽スタイリストを用意したり、服装をがらりと変えたりするなど日々戦いの駒を進めています。
アメリカのプリンストン大学で行われた、こんな心理実験結果があります。
被験者に過去の選挙で「当選した人」と「落選した人」の写真を見せ、どちらが政治家に適任か選ぶ実験を行ったところ、被験者たちはどちらの写真が当選した人なのか知らされていないにもかかわらず、実際の選挙で当選した人を選ぶ確率が高かったのです。
つまり、選挙の投票結果には、見た目の第一印象が大きく影響しているということです。
そしてこの場合の「見た目」とは決して先天性の容姿だけではなく、表情や姿勢、歩き方、服装や眼鏡など、変えることができる部分を含みます。
今回の総裁選でも、小泉さんがPR会社をつけたことが話題になりましたが、アメリカでは選挙にPR担当がつくことはもはや当然です。
果たして自民党はどんなイメージをまとった人を総裁に選ぶのか、戦いは始まったばかりです。
INFORMATION
《講演のお知らせ》
「大統領選挙に見る印象の重要性」(NHKカルチャー)
9月24日 (火) 19:00~20:30
大阪梅田ツインタワーズ・ノース17階(大阪市北区角田町8-1)
アメリカ大統領選挙がテーマですが、時期的に日本の各党党首選や日常生活で役に立つワンポイントについてもお話させていただきます。
教室受講:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1300499.html
オンライン(見逃し配信あり)受講:https://www.nhk-cul.co.jp/programs/program_1300680.html