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 日本の商標法では、同名の商標であっても同一または類似の商品・サービスでなければ、登録が認められる。エステーは芳香剤や薬剤を指定しているため、他の用途であれば出願自体は可能。ただ、「デコピン」が大谷の愛犬として著名になった今、特許庁はどう判断するのか――。

 

「皮の硬いミカンに何か名前をつけようと思って」

 商標登録を試みたうちの1人、徳島県吉野川市の阿佐勝彦市議に聞いた。

――なぜ出願を?

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「ウチの庭には植えてもないのに勝手に生えてきた木があって、それが最近、皮の硬いミカンの実をつけ始めた。この際やけん、何か名前をつけようと思って」

――名前の由来は?

「硬いミカンで『デコポン』ってあるでしょ? これをもじって『デコピン』です。ちょうど大谷選手の愛犬が話題になっていて『よし、これに決めた』と」

――大谷選手のファン?

「いやいや、私はオリックス時代からイチロー選手の大ファンですから(笑)」

 案の定、阿佐氏の出願は「大谷翔平氏の愛犬の名前として現在流行している語で、自他商品の識別標識として機能するとは言えない」などの理由で、特許庁から拒絶されている。

 前人未到の記録を更新し、唯一無二の存在感を放つ大谷。愛犬も同様、オンリー“ワン!”の存在となった。