完成度だけでなくネタの面白さやインパクトが魅力の「ネタコス」。そこに熱意を注ぎ、ときには「まるで映画俳優」のような肉体改造までするのが“黒髪ロングお嬢様”こと、コスプレイヤーの宇佐見坂うさりさんだ。
彼女がネタコスの虜になった理由を、WindowsXPの擬人化、ゴリエ、ツイッターの青い鳥、のまネコなど斬新なネタコス写真とともにお届けする。(全2回の2回目/前編を読む)
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役作りしすぎて「映画俳優か?」と言われたことも
──髪の毛にこだわりがある宇佐見坂さんですが、髪の毛一切関係ない、ハイクオリティな面白ネタコスプレ(ネタコス)が度々バズってますよね。以前コミケで披露したゴリエのコスプレも、あえてお腹の脂肪を増やしたりとこだわりが半端なくて…。
宇佐見坂 恐れ入ります…。ゴリエちゃんは番組でもお腹を出すネタがあったので、そのためだけに太りました。あと同じくらい高くジャンプできるように、足を鍛えたりしましたね。
──ネタへの思いが強すぎる…!
宇佐見坂 役作りしすぎて「映画俳優か?」とか突っ込まれました(笑)。「このキャラクターに近づけるために体を絞る」とかはよく聞くんですが、太るっていうのはあんまりないかもしれないですね…。
──ネタコスを始めたきっかけはなんですか?
宇佐見坂 きっかけはコミケです。それまで私が知っているコスプレと言えば、キャラクターに忠実に再現して、かっこいいポーズやかわいいポーズをとるという完成度を高める方向性でした。でも、ネタコスは、例え完成度がボロボロでも、そのコスプレをみんなで共有して笑うんですよね。あったかいんです、空気が。それ見てなんかうらやましくなっちゃって。「私も自分の好きなものを表現したらこの場でみんなと共有しあえるかな」と思って始めました。
──一番最初にしたネタコスはなんですか?
宇佐見坂 WindowsXPの擬人化のコスプレでした! 当時掲示板で、各WindowsのOSを擬人化してイラスト化するというネタがあったんですよ。
私自身、WindowsMeからXPへの推移がすごい思い出に残っていて。幼いながらに当時のXPのグラフィック技術の進化や頑丈さに感動して、本当にXP信者だったんです。ちょうどその年のコミケで、XPがサポート終了するタイミングだったのもあって、思い出を語れる同志がいたらいいな、という気持ちでコスしましたね。
──実物のPCを持って行ったんですね。重そう…。
宇佐見坂 ちょうど、XPを入れたPCが壊れた直後だったので、最後の思い出に小道具にしようと。中のマザーボードとか電源とか全部抜いて、軽くしてなんとか持っていきました。私が昔、家族に初めて買ってもらったパソコンだったんです。当時はやっていたタワー型で、30万円くらいしたのになぁ…(遠い目をしつつ)。
──XPのサポート終了はみんな泣きましたよね。