「ディテールこそが、そのキャラクターたらしめている部分なんだと思っています。そこにどれくらい当てはめられるか、というのが、コスプレイヤー全員共通の苦悩と楽しさなのでは」

 多くのコスプレイヤーを悩ませるのが「髪型の再現」。そこに隠されたレイヤーたちの「涙ぐましい努力」の数々とは――。髪のパーツモデルとしてだけでなく、コスプレイヤーとしても活躍する、宇佐見坂うさりさんに聞いた。(全2回の1回目/後編を読む)

 
『ファイナルファンタジーⅦ』ティファのコスプレ(写真:本人SNSより)

◆◆◆

ADVERTISEMENT

コスプレに目覚めたきっかけは「アニメ好きの父」

──宇佐見坂さんは「黒髪ロングの地毛コスプレイヤー」として有名ですが、中学生からコスプレを始めたそうですね。

宇佐見坂うさり(以下、宇佐見坂) はい、そうです。コスプレって趣味が雑誌とかでも取り上げられていたので、興味を持って。父がアニメが大好きな人だったので、やってみたいとなんとなく言ってみたら「良いじゃないか、応援するぞ」って言ってくれたのも大きかったです。

──良いお父さんですね。

宇佐見坂 趣味を応援してくれる父なんです。昔からアニメが好きで、特に『パトレイバー』とか『攻殻機動隊』みたいな系統が大好きらしくて。でも最近は「小説家になろう」発のアニメも沢山観ているみたいです。「自分で小説を投稿しようかな!」と言い出したこともあるくらいでした。

──若い…! その時コスプレしたキャラクターはなんだったんですか?

宇佐見坂 『BLACK LAGOON」という漫画のロベルタというキャラクターです。とても格好よくて憧れていて。今もコスプレしていますが、その当時買ってもらった衣装を大切に着ています。

『ブラックラグーン』ロベルタ(写真:本人SNSより)

──当時から地毛のコスプレだったんですか?

宇佐見坂 そうですね。そのキャラは髪色や長さが似ていたこともあって、初めてやったのも地毛コスでしたし、今でも地毛でやっています。

──黒髪ロングのキャラがお好きなんですね。

宇佐見坂 黒髪ロング、本当に大好きです。黒髪ロングのキャラにあこがれているところも大きくて、「地毛でコスプレしたいからこのキャラクターを選ぶ」ではなくて、「このキャラクターをやりたいから地毛をコントロールする」という方向で常に考えています。

──地毛でコスプレする魅力はなんですか?