1ページ目から読む
2/4ページ目

宇佐見坂 一番は、ウィッグにはない質感を出せることですね。ウィッグってどうしても特有のテカリが出やすくて、のっぺりとした感じになってしまいがちなんですが、地毛だと自然な質感と光沢が出るんです。

 毛量の問題などでできないキャラは諦めるしかないのですが、ウィッグを使った「キャラクターの世界を再現しました」という方向性とはまた違って、「キャラクターが現実に息づいています」というナチュラル感が出るんです。あと髪をなびかせたとき、ウィッグだとすぐ絡まってしまうんですけど、地毛だとあまり絡まずに流れるような質感が出せることでしょうか。

──ウィッグのほうが扱いが楽なのかと思っていました。

ADVERTISEMENT

宇佐見坂 違うんです! ウィッグって、とても絡みやすいものなんです。なので、コスプレイヤーさんってとても努力しているんです。ウィッグを一度柔軟剤漬けにしてやわらかくして、その上からさらにシリコンオイルを吹き付けて絡まないようにするとか。それでも、風が強い日はすぐ絡んでしまったり。それを画像編集で修正しようとするとまた大変で、1本1本髪の毛を描いてる人も多いくらいなんですよ。

──そうなんですね。

宇佐見坂 あと、ウィッグだと生え際を自然に見せることがかなり難しくて。でも、地毛だったらそこを気にせずに、髪をかき分けた瞬間の頭皮まで撮影できる。動きに制限がつかないのも良さですね。

──Xにアップしていた、暁美ほむら(『魔法少女まどか☆マギカ』)のコスプレも髪をなびかせたポーズでしたね。

SNSで大注目された『魔法少女まどか☆マギカ』暁美ほむらのコス(写真:本人SNSより)

宇佐見坂 あの写真は反響が大きかったですね…。ただ、その写真が火種になって、X上で「ウィッグ派」と「地毛派」の対立論争が起こっていたのも見てしまって…なんとも言えない気分になりましたね。

──「ウィッグじゃないとコスプレじゃない」という人が一定数いるんですか?

宇佐見坂 そういう方もいらっしゃいますね。勿論そういった考えもあって当然だと思います。私としては、趣味なんだしみんな好きにやれば良いんじゃないかな、と思ってます。

コスプレが日常生活に影響を与えることも

──地毛コスならではの難しさはありますか?

宇佐見坂 沢山ありますよ! 例えば、私は先日、コスプレするキャラクターのために、前髪を眉毛くらいまで切っています。すると当然、日常生活もその短さで過ごさなくちゃいけなくなるんです。

──その間は別のキャラクターもやりづらくなるわけですね。