1ページ目から読む
3/4ページ目

宇佐見坂 そうなんです。なので、自分の今の前髪の長さと髪の成長スピードを把握して、計算した上で予定を組まなくちゃいけなくて。

 次は目の下まで前髪で隠れるキャラクターをやりたいなと思ったら、撮影予定を組めるのは今から2〜3か月後ぐらいかな、と算段を立てておかなくてはいけないとか。一回眉上前髪のキャラクターをやったとしたら、伸びるまでの間はウィッグのキャラクターしかできない、なんてことも日常茶飯事です。

──普段そこまでキャラの前髪に注目していないかもしれません。大変なんですね。

ADVERTISEMENT

宇佐見坂 これはコスプレしていて気づいたことでしたが、前髪のカットに失敗すると、他が上手くいってもなんとなく「違う」って違和感になってしまう。キャラの顔って前髪で決まるのでは?と思ったりしています。たかが前髪、されど前髪、って感じです。

──ご自身の髪の毛の伸び方をそこまで正確に把握しているのもすごいですね。

宇佐見坂 そこまで計算できないと地毛コスて難しくて。特に私みたいに高頻度で地毛コスしている人は、必然的にそうせざるを得ないんです。多い時で月1〜2回は地毛コスしてたりもするので。

コスプレで再現に苦労したキャラクターは?

──特に苦労したキャラクターはいますか?

宇佐見坂 最近だと、アニメ『ガールズ&パンツァー』の西絹代ちゃんというキャラクターですかね。ぱっと見控えめな髪色と髪型なのに、前髪がアシンメトリーなんですよ。右はぱっつん、左側の前髪はまったくないという。

 これを再現するために、左の前髪をできるだけ後ろ髪に混ぜて固めることにしたのですが、その状態で原作と同じぐらいの前髪の量を表現するためには、右側の横髪まで切って、前髪を作らなくちゃいけなかったりして。「数カ月後にこのキャラをコスプレするけど、自分の伸びるスピードだったらここまでいけるかな…」とか必死に計算しながらやりました。

 
『ガールズ&パンツァー』西絹代(写真:本人SNSより)

──アニメだから成立していた髪型なんですね。

宇佐見坂 そうなんです。アニメの髪型ってぱっと見地味でも、実際にやってみるとなかなか「そうはならんやろ!」というのが多いんです。なので、みんなウィッグを固めたりして再現するんですよね。それを地毛でやろうとするんだから、必然的に私生活を犠牲にすることになるという(笑)。

──ものすごく大変ですね。