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「やる気が無いんだ」となって極めて危険
さらに、日本の国債残高の対GDP比が250%を超えていることについて「人類が経験したことがないレベル」と表現したのち、財政健全化の必要性を改めて語った。
「足下では、海外投資家による日本国債の保有・売買のシェアがどんどん増加している。また、新NISAの開始以後、家計による海外への投資が増加した。自国通貨の資産を好んで購入する傾向(ホームバイアス)が弱まる兆候と受け取れる。
つまり、より高いリターンを求める国内外の投資家に促されて、海外の高い金利に収斂する(徐々に近づいていく)かたちで、国内金利が一段と上昇するかもしれない。来年度以降に金利が1%上昇すると、2033年度の国債の利払い費は見込みより8.7兆円ほど増加するといわれている」
金融界での評価についても、次のように懸念を示した。
「国際金融社会は厳しい。国債の格付けがちょっと下がると、だだーっと落ちて、あっという間にジャンクボンドのレーティングになったりする。だから、日頃から市場の信認を確保しなくてはいかんと思っている。金利のある世界を迎える中で、プライマリーバランスの黒字化目標を止めると、マーケットから『やる気が無いんだ』となって極めて危険だ」
そのほかにも神田氏は、外国人労働者や原発再稼働など日本が抱える難問について持論を語っている。
「文藝春秋 電子版」では、オンライン番組「『日本はまだ闘える』“令和のミスター円” 神田眞人インタビュー」(24分)のフル動画を配信している。