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まさかの「失職→再選」を果たした“あの政治家”

「『脱ダム宣言』などで一時旋風を巻き起こした田中康夫・元長野県知事です。2002年に長野県議会から不信任決議を受けましたが、議会を解散せず失職して再出馬。再選を果たしました。ちなみに当時田中氏も、今回の斎藤氏と同じように、不信任決議後の10日間で地元のテレビやラジオに相次いで出演していました」(同前)

新党日本代表などを歴任した田中康夫氏(本人HPより)

 20年以上前のメディア戦略を令和の世に再現した斎藤氏。県関係者からは非難と困惑の声が上がる。

「不信任案は86対0で可決された。実質的な『クビ』宣告だったんです。民意を代表する県議会の総意を無視してぬけぬけと出直し出馬するなんて、責任を感じていないのでしょうか。県議さんたちも県職員もみんな怒っています」(県職員)

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26日、記者会見の冒頭で頭を下げる斎藤知事 ©️時事通信社

 不信任決議から1週間。遅まきの決断にはこんな背景があった。

「当初、県議会で不信任案提出の機運が高まっていた時、知事は解散も匂わせていました。県議たちへの牽制でもあったのでしょうが……。しかし実際に不信任案が可決されてしまった以上、いざ解散すれば県議たちから『大義のない解散だ』『県議選の費用約16億円が無駄にかかった』などとネガティブキャンペーンを張られ続けることになる。そうなれば自分の出直しどころではなくなってしまうので泣く泣く解散を取りやめたのでしょう」(県議)

 9月30日に自動失職した後、50日以内に知事選が行われる。斎藤氏の訴えは県民に届くのか。

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