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ーー山口組の顧問弁護士だった山之内さんは警察にマークされていたということですか?

山之内 そう思います。私が1991年の恐喝事件で逮捕された時も、担当部署は警察庁長官賞を受賞しています。長官賞は簡単にもらえる賞ではなくて、それだけ「山口組の顧問弁護士」を逮捕することは警察にとって手柄なんです。

©深野未季/文藝春秋

現役のヤクザから感想が来ることも?

ーー弁護士としての活動ができなくなって、YouTubeを始められたのはどんな理由があったのでしょう。

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山之内 知人の記者に誘われて、2022年の6月に始めました。やりはじめてみると、山口組の側から法律や裁判がどう見えるかという話を世の中に伝えることには意義があると感じました。

ーーどんな方が視聴者なのですか?

山之内 男性の40~60代の方が多いです。暴力団の世界に関心がある一般の人が多いです。「ヤクザにならないためにはしつけ、愛情が大切なんですね」なんてコメントが来ると嬉しいですよ。あとは現役のヤクザも見ていたりするようです。

ーー現役のヤクザから感想が来ることも?

山之内 山口組を持ち上げるつもりはなく、結構、厳しいことを言っているのですが、現役の組員からの反応はあまりないですね。6代目山口組の執行部の人たちと面識があるので、「(山之内)先生に対して注文を付けてはいけない」と思われているようです。

ーーYouTubeでどのようなことを発信したいのでしょうか。

山之内 やはり、なぜ社会にこういう組織犯罪集団があるのか、ということです。暴力団は遠い存在ですが、実際に中にいる人がどんな生い立ちで何を考えているか、どうして暴力団に入ったかを知ってもらいたい。僕自身が山口組の顧問弁護士を引き受けた最大の理由もそれが知りたかったからでした。ヤクザという組織の理解が進むことは、社会にとってもプラスだと思います。

ーーなぜ人はヤクザになるのですか?