10月8日(火)より、窪田正孝さんを主演に迎え、放送がスタートするNHKドラマ10『宙わたる教室』。定時制高校に集った、背景も年代もさまざまな生徒たちが科学実験に挑み、学会発表を目指すという胸が熱くなる青春ストーリーです。第1話の放送を前に、このドラマを企画、制作した神林伸太郎プロデューサーに、『宙わたる教室』との出会い、ドラマの見所などを伺いました。
――今回のドラマは伊与原新さん『宙わたる教室』を原作としていますが、この本が発売されたのが2023年の10月。原作の発売から約1年でドラマが放送開始、というかなり早いペースで進んだドラマ化ですが、どのような経緯だったのでしょうか。
神林 本当に「出会い」でしかありませんでした。書店で「良い原作がないかな」と探していたところ、『宙わたる教室』の「教室に火星をつくる」というコピーが目について。まずは読んでみようと思ったのが、たしか発売から1週間くらいのタイミングです。実際に読んでみると、子どもの頃に読んだスポ根マンガを思い出すような感動がありました。さらにあとがきで、大阪の定時制高校で実際にあった話に着想を得たということを知って「本当にこんなことがあったんだ」とまた感動し……発売から10日以内には、自分のなかではドラマ化を決めていました。
――脚本、制作の座組などはどのように進んでいったのでしょうか。
神林 自分としては、2025年の放送を目指して作りたいと思っていたんですよね。しかし2024年の10月から放送で進めることが決まり、昨年末のうちに脚本の澤井香織さんにお声がけして、大至急プロットを作ってくださいとお願いしました。制作に関してはNHKに企画を出したタイミングで、ランプという制作会社にお話していたのですが、プロデューサーの橋立聖史さんと演出の吉川久岳さんもそれぞれ偶然に同じ原作を読んでいたんです。お二人から「こちらからも『この原作はどうか』と神林さんに相談しようと思っていたんです」と言われ、これはもう運命ですね、ということで、一緒にやることになりました。