「子どもたちに嫌われるのは仕方ないと受け止めています」――日本で初めて「女性暴力団」として認定された、西村まこさん。今では更生を果たし、地元の岐阜県で地域住民も支援する慈善活動に励む彼女だが、実は彼女には「2人の息子」がいる。
今、息子たちとはなかば絶縁状態。いったい彼女は何をしたのか? そして彼女が明かす後悔とは…。(全6回の4回目/最初から読む)
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ふたりの息子との「複雑な関係」
――ヤクザの親分だった元パートナーとの間に、ふたりの息子さんがいるそうですね。
西村まこ(以下、西村) そう。私は実家が厳しいのが本当にイヤだったから、「いつか子どもを生んだら自由にさせてあげよう」と考えていたはずなのに、いざ自分が親になったらお父さんと同じスパルタ教育をしてしまった。やっぱり良い大学に行けば選択肢は広がると思うし、自分の子どもにはそうしてあげたいじゃないですか。私の場合は無理やり勉強させるというより毎日習い事に通わせましたが、自分が親になってようやく父の気持ちが理解できました。
――息子さんたちとの関係は?
西村 息子はふたりいますが、どちらとも関係が良くありません。次男の親権は元旦那が持つことになり、別々に暮らすようになってからは連絡を取っていません。長男はプロの格闘家になりましたが、ここ数年は電話しても出てくれません。私と元旦那の夫婦ゲンカはすごく激しくて、子どもが110番して警察を呼ぶような状況でした。覚せい剤の販売をしていたこともバレているし、子どもたちに嫌われるのは仕方ないと受け止めています。
――覚せい剤の販売もバレていたんですか。
西村 同じ家の中で作業していましたからね。上の子が中学生のとき、子どもたちがもう寝たと思って、隣の部屋でシャブのパケ詰めをしていたんです。そしたら上の子が起きてきて、ジロッと私を見た後にトイレに行って、また戻ってきたときにもジロッと見られた。次の日、上の子が「しりとりしよう」と下の子を誘って、途中で下の子が「せんざい」と言ったのに対して、「覚せい剤」と返したんですよ。
しりとりとして成立していないじゃないですか。きっと、「わかっているぞ」ということを伝えたくて、私に聞かせるためにそう言ったんですよ。でも元旦那は生活費を全然くれなかったので、私が覚せい剤を売っていなかったら、子どもを高校まで行かせることはできなかったし……。
――難しいですね……。まこさんご自身は、関係の悪かったお父様との関係は?