「私は弁護士、ニューヨーク州弁護士としてキャリアをスタートさせていただいておりまして……」

 10月2日、記念すべき初登庁後の記者会見で、開口一番、自らの輝かしい経歴を紹介し始めたのは、初入閣の牧原秀樹法相(53)だ。

牧原秀樹法相(事務所HPより)

「東大法学部卒で、経産副大臣や厚労副大臣を歴任してきました。ただし衆院選では同じ埼玉5区の立憲民主党、枝野幸男氏に6連敗しており、選挙は強くない。過去にはSNSで過激な投稿がたびたび炎上しました。また旧統一教会や関連団体の会合に、牧原氏本人や秘書が計37回出席していたことが明らかになっています」(政治部記者)

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 そんな牧原大臣に、ある疑惑が浮上している。

「今年8月、地元の選挙区内のお祭りで、本人をデザインしたオリジナルの“トレーディングカード”を配布していたのです」

トレカの中身

 そう話すのは、祭りの参加者だ。実際に配布していたカードを見せてもらうと、名前と「衆議院議員・埼玉五区」と記した下に、本人と思われるイラストが。アツく瞳を燃やして拳を握っていたり、爽やかな笑顔で親指を立てていたりと複数のパターンがあるようだ。「LEVEL」は300。何のレベルなのかは謎だ。判断力、決断力、行動力はいずれも9999。何の単位なのかは分からないが、なるほど法相にふさわしい実力はありそうだ。

お祭りで配られたカードの表面。裏も非常に凝ったつくりになっている(詳細は「週刊文春 電子版」をご覧ください)

「以前、松島みどり氏が選挙区内のお祭りで自分の名前などが入ったうちわを配布し、公職選挙法で禁止されている『寄付』行為に該当するとして国会で追及され、法相を辞任するに至りました。今回も松島氏と同様のケースではないか」(前出・政治部記者)

 埼玉県選挙管理委員会に尋ねると、

「『トレカに財産的価値がある』と認められると、『寄付』にあたる可能性がある」

 フリマアプリ「メルカリ」では、このカードが出品されており、10月5日時点で1500円。法相になったことを受けて強気の値段設定にしたのだろうか。結局すぐに値下げされていたが、10月7日には1000円で買い手がついていた。

メルカリにて1000円で売買されていた

 牧原事務所に問い合わせると、次のように回答した。

「トレーディングカードとのご指摘は誤りです。現物をご覧いただければわかるとおり『名刺』に過ぎません。よって、公選法に違反するとのご指摘も当を得たものではありません」

 現在配信中の「週刊文春 電子版」では、秋葉原で聞いたトレカの価値、お祭りで特注のはっぴを着用したことによる公選法抵触の疑惑を報じるとともに、その証拠写真を公開している。

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