待機場所に行ったら「個人情報を知っている」と脅され強盗に…
〈1 SNSを利用して荷物の搬送・人を運ぶ仕事等のホワイト案件を高額報酬をちらつかせて募集(犯罪以外の仕事を装う)〉
〈2 秘匿性の高いアプリのインストール、使用を案内される〉
〈3 仕事の身分確認等と装い、本人確認として顔写真や身分証(運転免許証等)画像を送信させる〉
〈4 仕事の待機場所を指示され、同様に指示されたものと合流〉
ここで事態は急激に「ブラック案件」に変貌する。
〈5 仕事内容が急変。強盗を指示される〉
〈6 犯行を躊躇するも、「個人情報を知っている」「どうなるか分かっているだろうな」「覚悟しろよ」等と脅され恐怖心から断れず犯行を決断〉
〈7 事件を敢行〉
〈8 報酬も受け取ることができず、早期逮捕〉
に至るという。県警関係者が解説する。
「最初のうちはダイレクトメッセージ等でやり取りを開始。携帯電話で簡単にやり取りができてしまうため、小遣い稼ぎ感覚で募集に応じてしまう。やり取りの相手が急に変貌しても、家族等の事を考え、恐怖心から断れなかったようだ」
別の県警関係者は「所沢の事件では実行役の男が、逃走中に指示役から『逃げてんじゃねえ』などと電話で脅され、現場に戻って逮捕された。警察は犯行の裏に反社会的組織の存在があることも視野に指示役の行方を追っている」と明かす。
容疑者の一人は「やらなきゃよかった」と供述しているが、これほど「後悔先に立たず」という言葉がぴったりな事件はないだろう。