全国的に相次いだ広域強盗事件を「ルフィ」などと名乗り指示していたとみられる男4人に対して、警視庁は12日午前、今年1月に発生した東京・狛江市での強盗殺人事件を指示していた疑いが強まったとして、強盗殺人容疑で再逮捕した。

 日本中を震撼させた「ルフィ強盗団」の手口、そして、彼らが罪を犯した理由とは何だったのか。事件を報じた「週刊文春」のスクープ速報を再公開する。(初出:週刊文春2023年2月2日号/年齢・肩書きは掲載当時のまま)

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 昨年から今年にかけて全国で発生している連続強盗事件。犯行グループがやり取りをする際、“コードネーム”に「ルフィ」「範馬勇次郎」「三橋」など人気漫画のキャラクターの名前を使っていたことが「週刊文春」の取材でわかった。

買い物から帰宅した直後、強盗に襲われる

 東京都と神奈川県の境にある多摩川の土手沿いに建つ地上二階、地下一階の邸宅。ガレージにはベンツやマイバッハなど外車が並ぶ。5年ほど前に転居してきたのが、かつて品川区で寿司店を切り盛りしていた元女将の大塩衣与さん(90)の一家だ。長男と妻、成人した2人の孫ら、三世代が暮らしていた。

狛江事件では大塩さんが亡くなった ©時事通信社

 強盗グループが狛江市の大塩邸を襲撃したのは、1月19日の日中のこと。

「家人は出払っていて、大塩さんは買い物から11時頃に帰宅。直後に襲われたようです。17時過ぎ、調布署員が帰宅した大塩さんの孫と自宅に入ると、全てのフロアが荒々しく物色されていた」(社会部記者)

 身長150センチほどの大塩さんは、両手首を結束バンドで縛られたまま地下の床に横たわっていた。死因は、身体の複数部位に重度の損傷を受けた多発外傷だった。

「殴殺したのは4人組の男。3つのフロア全てに4種類の靴跡が確認されている。4人は都内と相模のナンバーの2台のレンタカーで被害者宅に乗り付けた。中にいたのは約1時間。高級腕時計などを奪い、その後はレンタカーを近くのパーキングなどに放置して逃走した」(捜査関係者)