1ページ目から読む
4/4ページ目

 このようなニュースがテレビから流れると、思わずハッとして、食い入るように画面を見つめてしまう。同じニュースを聞いても、「何を早まったことを……」と思うだけの人も多くいることだろう。

 でも、僕にとっては他人事じゃない。

 いつか、僕も心が完全に折れてしまうんじゃないか。そんな不安に怯えながら、毎日を過ごしていた。

ADVERTISEMENT

「どこでもドア」で遠くへ行ってしまいたい

 逃げられるものなら、この生活から逃げたい。

 ドラえもんのように「どこでもドア」で、遠くへ行ってしまいたい。

 でも、僕はカミさんにとって、たった一人の身内なのだ。

「俺が頑張らなきゃいけないんだ……」

 強く自分に言い聞かせるたびに、僕は自分で自分を追いつめていた。