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このようなニュースがテレビから流れると、思わずハッとして、食い入るように画面を見つめてしまう。同じニュースを聞いても、「何を早まったことを……」と思うだけの人も多くいることだろう。
でも、僕にとっては他人事じゃない。
いつか、僕も心が完全に折れてしまうんじゃないか。そんな不安に怯えながら、毎日を過ごしていた。
「どこでもドア」で遠くへ行ってしまいたい
逃げられるものなら、この生活から逃げたい。
ドラえもんのように「どこでもドア」で、遠くへ行ってしまいたい。
でも、僕はカミさんにとって、たった一人の身内なのだ。
「俺が頑張らなきゃいけないんだ……」
強く自分に言い聞かせるたびに、僕は自分で自分を追いつめていた。