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 さらに、22年11月放映のTBS「報道特集」では、秘書のA氏が旧統一教会信者だったことが報じられる。番組を見た後、21年総選挙の際に山際議員の街頭演説取材で知り合った鈴木エイト氏に連絡を取った小川氏は、冒頭で紹介した“純潔デモ”に参加するA氏の写真を託された。 

「“統一教会汚染”の膿を出し切り、自民党が生まれ変わるための一世一代のチャンスだ」

 強い覚悟で山際議員と旧統一教会の関係について追及を始めた小川氏だったが、その思いは踏みにじられる。

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神奈川県議の小川久仁子氏 ©文藝春秋

「誓約書を提出したのだから、再調査は必要ない」

 小川氏は山際議員について再調査をすべきだと訴えたが、県連会長である小泉氏の下した結論は、こうだった。

「誓約書を提出したのだから、再調査は必要ない」

 旧統一教会との関係断絶を誓約した書類に署名をしたのだから、問題はないというのだ。

 2023年6月30日、自民党本部は川崎市連、神奈川県連の推薦を受けて、山際議員を新しく編成された神奈川18区の支部長に選任。つまり、今回の衆院選に向け「公認」したのである。一方、統一教会汚染を追及する小川氏の行為は「党の規律をみだす行為」とされ、「2年間の党員資格停止」という処分が下されたのだった。

「山際議員については再調査が必要。小泉進次郎県連会長には、きっと理解して頂けるものと期待していましたが、誓約書をもって不問に付すという判断は、非常に残念なものです。自民党から出ていくべきなのは、私ではなく山際議員の方ではないでしょうか。

山際大志郎氏 ©時事通信社

 裏金問題も、旧統一教会の問題も、こうした自民党の隠蔽体質が変わらないのであれば、私はそこにはいたくありません。総選挙を前に、自民党の実像を多くの有権者のみなさまに知っていただきたい。その上で下された審判こそ、自民党の未来に繋がると信じています」

 ◇

文藝春秋 電子版」には小川氏の手記「議員歴25年の自民党県議が証言! 小泉進次郎選対委員長が握り潰した『山際衆院議員の旧統一教会汚染」告発』が掲載され、秘書のA氏だけにとどまらない山際議員と旧統一教会との関係、そしてそれを小泉氏が不問に付した経緯が詳述されている。