「山際議員は、旧統一教会と決別などしていない」

 そう断言するのは、自由民主党所属の神奈川県議会議員、小川久仁子氏だ。1999年から7期連続当選を果たし、県議会副議長や決算特別委員長などを歴任したベテラン議員である。その小川県議が、衆院選を目前に控えた10月11日、離党届を提出した。自民党を離れてまで、彼女が訴えたいものとは――。

自民党神奈川県連会長の小泉進次郎氏 ©文藝春秋

旧統一教会関連団体のデモでマイクを握り……

「私の手元に、一枚の写真があります。これは、山際大志郎衆議院議員(元経済再生担当相)の事務所で、現在も公設第一秘書として働くA氏が、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)関連団体によるデモでマイクを握り、街宣車上から群衆をアジる様子を撮影したものです。

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 現役の、それも国から給与を支払われる公設秘書が、旧統一教会信者であった事実を示す『動かぬ証拠』として、2023年12月、小泉進次郎会長率いる自由民主党神奈川県支部連合会(以下、県連)に、この写真を提出しました」

 秋葉原でのデモ街宣車上のA氏(左) 提供=鈴木エイト氏

 山際議員と同じ川崎市高津区選出の小川氏が、A秘書と初めて会ったのは2012年頃。03年に初当選を果たした山際議員が09年の落選を経て、政界復帰を目指して活動を活発化させていた頃だったという。

 しばらくすると、小川氏のもとにA氏が旧統一教会の信者だったという情報が寄せられた。

「自販機の販売をする統一教会系企業の信者がうちに営業に来た際、『信者のAさんが山際さんの秘書として働いているのを知ってびっくりした。子どもが同じ保育園に通っていたから昔から知っている』と教えてくれたことがあります。また、勝共連合の時代に知り合った古参信者からも『支部は違うけど仲間だよ』との証言を得ました。いずれも、安倍さんが亡くなる前後の出来事です」

自民党県議が告発! 進次郎選対委員長が握りつぶした統一教会汚染

 22年7月、安倍晋三元首相銃撃事件で、自民党の“統一教会汚染”が一気にクローズアップされると、真っ先に集中砲火を浴びたのは、岸田内閣で2度目の入閣をしていた山際議員だった。旧統一教会関連団体イベントに何度も出席し、19年に韓鶴子総裁に面会していた事実まで発覚した。