「フィギュア集めには強い野心があります。“『鬼滅の刃』、どうしても欲しい”とか(笑)」
シンデレラストーリーは続き、『空気人形』を観たハリウッドからもオファーが届く。ウォシャウスキー姉妹の『クラウド アトラス』でトム・ハンクス、ハル・ベリーらとともにメインキャストを務め、32歳でついにハリウッド・デビュー。
『スター・ウォーズ』ばりのSF大作映画『ジュピター』では特撮ヒロインを演じるなど出演作品の幅も広い。『グエムル』は怪獣映画、『空気人形』では人造人間に扮し、『ジュピター』ではバトルヒロインとSF界隈でも世界的なマドンナとなった。
そして43歳では再び是枝監督の『ベイビー・ブローカー』に出演している。
順調に世界的なキャリアを築くペ・ドゥナだが、“世界戦略”について問われるとおどけた様子でこう答えた。
「野心なんてありません(笑)。私は是枝監督だけでなく、いろいろな監督と親しくしています。ですから野心とか関係なく、俳優としてラッキーな人生を歩んでいるだけです。是枝監督から『ベイビー・ブローカー』の話があった時は、『じゃあやりますか、はい』みたいな自然な流れで受けている感じ。どちらかといえば、フィギュア集めには強い野心があります。“『鬼滅の刃』、どうしても欲しい”とか(笑)。
そもそも俳優の野心って何でしょう。演技で賞をもらうこと? 演技にランクをつけることなんてできません。ひとつだけ言えるのは、自分が演じる役を現実に存在させるため、そこに最善を尽くし、集中すること。そこには私も野心を持っていると思います」(「Safari Online」のインタビュー)
インタビューなどへの対応も常に気さくで、画面の中と印象が全く変わらないのもペ・ドゥナの魅力の1つだ。
言語の壁を演技で軽々と超えていく異色の国際派女優にますます期待が高まる。