10月1日にパリで開催されたルイ・ヴィトン「2025春夏ウィメンズ・コレクション」ファッションショーに韓国人女優のぺ・ドゥナ(45)が全身黒のミニスカート姿で登場し、木村拓也・工藤静香の次女Koki,や元サッカー日本代表の中田英寿らと最前列で並んだことが話題になった。

 ペ・ドゥナは1979年10月11日生まれ、ソウル出身。演劇俳優の母キム・ファヨンの影響で小さい頃から演技の道を志していた。実兄のペ・ドゥハンもCM監督で、生まれながらの芸能家族である。

ぺ・ドゥナ ©︎時事通信社

「市民の憩いの場である漢江で声を荒げたり走ったりしていたので…」

 19歳で衣料カタログでモデルデビューし、ファッション雑誌からCMにも進出。テレビタレントとしてもめきめきと頭角をあらわしていく。日本でその名前が知られるようになったのは、20歳で演じたホラー映画『リング・ウィルス』の貞子役だった。

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 翌年、21歳でポン・ジュノ監督の『ほえる犬は噛まない』の主役に大抜擢。『猫をお願い』では百想芸術大賞最優秀女優賞など同年の韓国映画賞を総なめにして大ブレイクを果たした。

 本人はチャウ・シンチーの熱烈なファンだが、女優としてはソン・ガンホとの共演が多く、『復讐者に憐れみを』(02年)や『グエムル -漢江(ハンガン)の怪物-』(06年)、さらに邦画『ベイビー・ブローカー』(22年)でも共演して抜群のコンビネーションを見せている。

(本人のインスタグラムより)

『グエムル』は本格怪獣・SF映画ながら『ほえる犬~』のポン・ジュノ監督のメッセージ性・社会(批判)性の強い作品。

 ペ・ドゥナは「Cinema Cafe.net」のインタビューで、

「グエムルの演技は監督の頭の中に完璧に作られていました。『今はこういう動きだよ』と、丁寧な状況説明があったので、見えない相手に向かって演じることはそれほど難しくはなかったです。ただ、市民の憩いの場である漢江で声を荒げたり走ったりしていたので、周囲の人から『一体何をしているんだろう?』と不信に見られていました(苦笑)。それは恥ずかしかったですね(笑)」

 とフランクに答え、作品のはなつ独特の重苦しい雰囲気を払拭していた。

 日本との縁も深く、25歳のときに『ほえる犬~』を観た山下敦弘監督からラブコールを受け、『リンダ リンダ リンダ』(05年)に出演。

『リンダ リンダ リンダ』

 7歳年下の香椎由宇らとともに韓国人留学生役でセーラー服姿を披露するが、まるで違和感がなく日本語での歌唱シーンも話題になった。ここから彼女のわらしべ長者映画人生がスタートする。