緊張と不安でいっぱいだった初めての出産
――出産はどうでしたか?
なつみ 妊娠7ヶ月くらいの時に、頸管長が短いということで絶対安静のため数日間入院しました。ベッドの上でお腹が張らないようにずっと点滴生活で。薬を流して赤ちゃんが降りてこないようにしてました。
出産は36週と0日で、先生から言われていた通り予定日より1ヶ月くらい早いお産でした。その前から入院して点滴を打っていたんですけど、このままじゃ36週より前に生まれてしまいそうと言われて。36週未満の出産は、早産児扱いになって、手続きをしなければいけないらしく、先生からは「なんとか36週は超えてほしい」と言われていました。
でも、35週と6日の夜に陣痛が始まって。分娩台に移動して36週になるまで点滴を打って、36週を超えたタイミングで点滴を抜いたらすぐに強い陣痛が始まって、3時間くらいで生まれました。
――当時の心境はいかがでしたか?
なつみ 初めての出産だったので、どうしたらいいのかわからなくて。緊張と不安でいっぱいでした。陣痛の痛みも今まで経験したことのないような痛みで。
でも、10代の出産だからか、看護師が10人くらい周りについてくれていたんですよ。彼も立ち会いしてくれて、いろんな人に支えられて、深呼吸の仕方や楽な姿勢、いきみ方を教えてもらってなんとか出産することができました。赤ちゃんと対面した瞬間、彼と泣きあって、本当に幸せな瞬間でしたね。
最終的には応援してくれた父
――産後の体調はどうでしたか?
なつみ 産後、すぐに体重を測ったら、出産前の体重と一緒だったんです。体の回復もすごく早くて。今思えば、若いからだったんだと思います。20代の産後とは全く違いました。
――16歳とかなり若い出産ですが、病院でジロジロ見られたり、年齢について何か言われたりすることはありましたか。
なつみ ありましたね。定期健診は母と一緒に行っていたんですけど、待合室とかで視線を感じました。妊娠中はつわりや入院であまり外を出歩くことはなかったんですが、育児が始まってからはスーパーやバスとかで高齢の女性からジロジロ見られることはありましたね。
――出産後のご両親の反応はいかがでしたか?
なつみ すごく可愛がってくれます。
最初に妊娠を報告した時、父は大反対していましたが、妊娠後期くらいに父が久しぶりに実家に来て、私の大好物のお菓子をたくさん買ってきてくれて。「元気か? 体調は大丈夫か?」って。
それまで全く話していなかったし、連絡も取っていなかったんですが、父から歩み寄ってくれて。父なりにいろんな葛藤があったと思うんですが、最終的には応援してくれて、本当に嬉しくて。その時はたくさん泣きましたね。
今では孫が大好きなおじいちゃんって感じで、おもちゃを買ってくれたり、たくさん可愛がってくれています。
ただ出産後に産後うつになってしまって、そこからは本当に大変な育児生活でした。