女性競輪「ガールズケイリン」の選手として活躍する日野未来(31)さん。グラビアアイドルから競輪選手へと転身した異端児だ。競輪選手になってからの苦労や、バストを取りたいと思ったというエピソード、さらに今後の夢まで聞いた。(全3回の3回目/最初から読む

日野未来さん ©佐藤亘/文藝春秋

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「おっぱいが邪魔」グラビア時代と今の体型の違い

ーー練習法や自転車の部品を変えたことに結果が伴ってきたのはいつ頃ですか。

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日野 22年ぐらいに、結構ガラッと変わりました。コロナ禍に考える時間が多くなっちゃったじゃないですか。外に出られなくなって。その時にすごく集中しました。

 食生活も変えました。以前はトレーニング後に帰って用意するのが面倒臭くて、ガストにジョリーパスタ、ココスと外食三昧だったんです。でもコロナ禍になって、一から食生活を変えてみようと思って。アスリートフードの本を見て、乳製品とか野菜とか、タンパク質とか、全部バランスよく摂取する順番とかも考えるようにしました。そうするとめっちゃ元気になりました。

ーー現在は普段、どんな練習をされているんですか。

日野 (取材した日は)朝7時から昼12時までずっと競輪場でバイクに引っ張ってもらって走っていました。そこにプラスして午後4~6時まで練習する日もあります。食事は一日に大体3000から4000キロカロリーぐらいはとります。トレーニング直後は、もうきつくて食べられないみたいになっちゃうんですけど。

練習中の日野さん 提供:公益財団法人JKA

ーーグラビア時代とは体型もずいぶん変わったのではないですか?

日野 グラビアアイドルのときはマネージャーに「48キロをキープしろ」と言われてました。でも実際は52~53キロとかになっちゃってました。選手を目指すとなって、とりあえず肉体を作るために食べろと言われて74キロまで増えて、頑張ってトレーニングをして絞って、今は64キロがベスト体重です。

 体形で言えば自転車で漕ぐとき、おっぱいがめっちゃ邪魔なんです。この間、バイクに引っ張ってもらっての練習をしたんですけど、おっぱいと太ももがぶつかって体が揺れてサングラスが飛んでいっちゃったことがあって。グラビアのときよりはサイズはちっちゃくなりましたけど、邪魔ですね。いらないと思って整形でおっぱいをとろうと考えたこともありました。

ーー以前、女子競輪の選手を取材した際、ジーパンが入らないと聞きました。

日野 ジーパンははけないですね。スキニーのジーンズはふくらはぎで引っかかっちゃうので。オーダーメイドで作る人もいるんですけど、私は面倒臭いのでやってません。ズボンもふくらはぎは引っかかるけど、ウエストは緩かったりするので変なバランスになっちゃうんです。なのでスカートが多めですね。