1ページ目から読む
2/2ページ目

愛知と岐阜で反共ビラを「60万枚配布」

6頁

 6頁では、愛知県下と岐阜4区で反共ビラを合わせて60万枚配布した「結果」、小選挙区で勝利した選挙区として愛知1区、4区、5区、8区、9区、15区、岐阜4区の7選挙区を挙げている。「奇跡的な勝利」「33人の自民党代議士が誕生」と、反共ビラによる支援が成果を上げたと強調している。事実、愛知1区では熊田裕通氏、4区は工藤彰三氏、5区は神田憲次氏、8区は伊藤忠彦氏(復興大臣)、9区は長坂康正氏、岐阜4区は金子俊平氏が、それぞれ小選挙区での当選を果たしている。

「壮年は『自由民主』を朝晩に配布」

8頁

 8頁には、具体的な支援の内容が記されている。昼は婦人部、夜は青年学生が電話をかけ、壮年は『自由民主』を朝晩に配布するなど、まさに“総力戦”といえる人海戦術である。

「携帯電話を20台借りてもらい」との記述からは、候補者側が携帯電話を20台ほど借りて教団側に渡していることが推測され、自民党側との連携も疑われる。

ADVERTISEMENT

 さらに、壮年信者が自民党の機関紙である『自由民主』を全世帯に配布するとの記述は刮目に値する。『自由民主』は一部110円。「全世帯」がどの選挙区を指すのか不明だが、仮に愛知県の362万世帯(当時)に配布する場合、機関紙代だけで約3.6億円かかる。無償配布分を含めても膨大な部数が動くことを考えれば、統一教会側と自民党との組織的な協力関係への疑いは強まる一方だ。

文藝春秋 電子版」では、内部資料全33ページを公開している。資料には旧統一教会がランク付けした支援議員一覧や、議員たちと旧統一教会との関係を示す“決定的証拠”となる衝撃的な写真が多数掲載されている。