1ページ目から読む
2/3ページ目

退職してすぐに貯金ゼロ…狩猟をしてジビエ料理を食べる“どん底生活”

 仕事がなかなか増えず、生活費に追われるようになったCOZY氏は、退職2カ月後に千葉県のいすみ市に移住することになる。

「現地のシェアハウスのオーナーと知り合ったことがきっかけで、シェアハウスに住みながら管理人を務めることになったんです。墓地に囲まれた古民家でした。家賃は安くて助かったんですが、マジック店が多い都心は遠いし、夢がかなうのか不安で仕方なかったです」

デビュー初期のCOZY氏(写真中央、本人提供)

 COZY氏は当時の生活について食べるものにも苦労した“どん底”だったと語る。

ADVERTISEMENT

「仕事もほとんどなかったので、近所のハンターと一緒によく猟へ行きました。害獣のキョンを駆除すると1匹3000円ぐらい貰えるんですよね。とは言っても、僕は狩猟免許を持っていないのでお手伝いですけどね。駆除したキョンを食べたり、山菜を採ってきたり、狩猟で捕獲した動物のジビエ料理で日々生きていました。2カ月前まで港区でバリバリ働いていたのに、今度はほとんど山籠り。自分でもとんでもない人生だなって」

偶然見つけた「プロマジシャン募集」の看板

「マジシャン」の夢からはかけ離れた生活を1年ほど続けたCOZY氏だったが、「それでもマジックをやりたい」と思い直し、親に頭を下げて横浜の実家へ戻った。

 そこで偶然見つけた『プロマジシャン募集』の看板が運命の分かれ道だった。

「運命的なものを感じて、すぐ応募しました」

 応募したのはマジシャンが常に2、3人いる横浜のマジックバーで、COZY氏はプロとしてデビューできることになった。COZYという名前もこの時につけたものだ。