桜蔭高校→慶應医学部→モルガン・スタンレー……。まさに“超エリート”といえる経歴を持ちながら、年収や地位を捨てて南房総に移住したくるみさん(24)の人生は、SNSでたびたび話題になっている。

「平均年収2000万」と言われる会社を辞め、20歳で結婚した夫と長男の家族3人で“年間100万円未満の生活”をするようになるまでに、一体何があったのか? 20代夫婦の「セミリタイア生活」に向けられた世間の声とは。(全3回の3回目/最初から読む

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夏とは思えない涼しさの勝浦に移住

――育児のために勝浦に引っ越しをされたそうで。

くるみさん(以降、くるみ) 移住先の候補地の中で、勝浦が一番、夏が涼しかったんです。夫のトマトはすごい暑がりなんで、その意味でもいいなと思って。でも、最初は夫にすごい反対されたんですけど。

(左から)くるみさんとトマトさん

――トマトさんは移住に後ろ向きだったんですか。

トマトさん(以降、トマト) 僕はもともと安定志向なので、ずっと生まれ育った場所で暮らしていきたいと思ってたんです。

 でも結局、くるみの提案に乗ってみると面白いし、それもいいかな、と思えるようになっていった感じです。
 
くるみ 私が生活を定期的に変えたがるから、それに合わせてくれてる感じだよね。

生活費は3人で月6万7000円

――くるみさんは23歳でほぼリタイア生活ができているそうですが、収入と支出含め、どんな風に生活を?

くるみ この前ちょうど生活費を計算してみたら、先月は6万7000円でした。今住んでいる家は購入しているから家賃はゼロで、主に食費や雑費、子どものオムツ代とか、そういうものなんですけど、「あれ、こんな安く済んじゃった」と、ちょっと驚いてます。

――家族3人の生活費が7万円未満ということですよね。節約をかなりされている?

くるみ 頑張って切り詰めているわけじゃなくて、二人とも、物欲があんまりないんです。

 加えて、勝浦って朝市が有名なんですけど、そこに行けば新鮮で安価な野菜が手に入るし、「余ったからあげるよ」みたいな感じでご近所さんからお魚をもらうことも多いです。
 
トマト 基本的に毎食自炊なのも、節約になっていると思います。というか、外食しようと思ってもここでは選択肢がそんなにないし、都会より誘惑が少ないですね。