桜蔭高校→慶應医学部→モルガン・スタンレー……。まさに“超エリート”といえる経歴を持ちながら、年収や地位を捨てて南房総に移住したくるみさん(24)の人生は、SNSでたびたび話題になっている。
「平均年収2000万」と言われる会社を辞め、20歳で結婚した夫と長男の家族3人で“年間100万円未満の生活”をするようになるまでに、一体何があったのか? 彼女が「エリートコース」から外れたことを後悔しなかった理由とは。(全3回の2回目/続きを読む)
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医学部中退後、ヘッドハンターの紹介で外資系投資銀行と五大証券から内定
――慶應義塾大学医学部を中退後、外資系金融大手のモルガン・スタンレーに入社されたそうですが、どのようにして採用に至ったのでしょうか。
くるみさん(以降、くるみ) Twitter(現:X)に、「証券系に興味ありませんか」というDMが来たので返信してみたら、ヘッドハンターを紹介してもらえたんですね。
その方に日系の大手証券会社や外資の銀行を紹介してもらって面接を受けたら、五大証券や、モルガン・スタンレーから内定をもらえたんです。
――モルガン・スタンレーの中では異色の存在だった?
くるみ 最年少ではありましたね。私の他に高卒で採用された人もいましたが、元プロゴルファーという経歴の人だったんです。たぶん、金融の知識とか学歴ではなく、自分の人生を自分で切り拓いてきたガッツ、行動力を評価されたのかなと。
諦めきれなかったエリートコース
――エリートコースに戻りたいという気持ちもあったのでしょうか。
くるみ そのときはまだエリートの道を諦めきれず、当時周りは大学3年生で就活をしている時期だったので、皆より一足早く一流企業に潜り込みたい気持ちもありました。
――その華々しいキャリアを3ヶ月で手放したのはなぜでしょう。
くるみ やっぱり一番は、自由がないことですね。高収入と引き換えの忙しさなわけですけど、お金がそんなに欲しいわけではなかった私にとって、代償が大きすぎました。会社に行きたくなさすぎて、最後の方はテレワークで逃げてましたね。