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全身エルメス、港区に住んで子供はインターという「ザ・お金持ちの世界」…21歳でモルガン・スタンレーに入った女性が“平均年収2000万超”の会社を3カ月で辞めたワケ

くるみさんインタビュー#2

7時間前
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新卒2年目で育休を取ったトマトさんが“男らしく生きる”を捨てたワケ

――トマトさんが大学4年のときに結婚し、入社2年目で育休を取ったわけですが、家庭に入ることに抵抗はなく?

トマト 会社はほどんと男性社員で、1年の育休を取ったことがある人もいなかったんですけど、世に言うハラスメントもなく、あっさりOKしてもらえました。

 ただ、個人的には、同期に遅れをとってしまう焦りを感じざるを得なかったし、そもそも、「同期」システムゆえにそう思わされているんだなっていうのもわかってて。最終的には、そういうのもどうでもいいやって思えたというか。

――なにかきっかけがあったのでしょうか。

トマト 一番は、母が亡くなったことですね。母は“日本の男性観”の中で育ってきた人だったので、「男は働くもの」と思っていました。

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 基本的に僕がすることに口を出すことはあまりなく自由にさせてもらっていたのですが、心のどこかで「母の期待を裏切りたくない」という思いがあったので、自分としてはサラリーマンとして活躍する将来像を描いていました。

 でも、結婚した相手は一切、僕にそういうことを求めてこない人だったという(笑)。
 
くるみ 一家の大黒柱としてお金を稼いでくることをトマトに求めてないし、むしろ、外で働かれて家事育児をしてくれないことの方が、私は困る。

“男らしく生きる”ほうがわかりやすくて、周囲から認められやすい

――今は、完全にお2人で家事育児を分担されています。

トマト 今の日本だとまだまだ、“男らしく生きる”方がわかりやすくて、周囲から認められやすいですよね。僕が平日の昼間にウロウロしてると、変な目で見られますし。
 
くるみ 「パパ何やってるの?」って聞かれたり、子どもを連れて3人で歩いてるとき、私にだけ、「ママは大変ね」って話しかけられたり。

 パパだって同じように育児で大変なのにね。「パパもオムツ替えられるの?」って言われたこともありました。

「愚痴ばっか言ってるのに、なんで会社員やってるの?」

――どちらの生き方も経験しているトマトさんですが、「男らしく」生きた方が楽?

トマト マイノリティになってみて、仕事をしてた方が気楽だなとは思いました。

 でも、くるみは、会社にいたら何年目に出世して、年収いくらになって…みたいなことを一切評価をしないし、むしろ、「会社で何か成し遂げたいことがあるのか」とか「なぁなぁでやって愚痴ばっか言ってるのに、なんで会社員やってるの?」と詰められるという(笑)。

くるみ すごくやりたいことがあって入った会社でもないのに、会社員になると時間がものすごく取られるじゃないですか。私にとっては必要のないお金のために家族の時間が減らされるって、メリットを感じないというか。

 それに、ストレスが溜まるからお酒も飲むし、太るんですよ。だから、育休を取っている今は、トマトも痩せて健康的になって良かったなって。

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