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実行犯の1人はTwitter(現X)から“高額バイト”に応募

 事件の全貌がようやく明らかになったのは、大川に催涙スプレーを噴射した実行犯の1人の被告人質問が行われた今年5月。大川自身も証言台に立った法廷でのことだった。

 

 裁判を傍聴したジャーナリストの渋井哲也氏が語る。

「事件当時、被告は22歳で、介護現場で働いていた。当時付き合っていたシングルマザーの女性に借金があり、金銭的に助けたいという思いからTwitter(現X)で高額バイトを探す中で、《タタキ(強盗の隠語)》《報酬は100万円から》という投稿を見つけて応募したそうです。XでのDMのやり取りを経て、テレグラムに誘導された被告は、そこで指示役のキムから、犯行に使う武器として催涙スプレーを指定されたと話していた。被告は事件当日、指定された駅に向かい、初対面の男2人と合流。そこで初めて被害者の情報を知らされ、自宅へ向かったそうです」

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 大川の自宅前に到着した被告に、「キム」は恐ろしい“指示”を出していた。

知り合いからの依頼であると説明「イケメンのやつだから…」

「キムは今回の犯行が、被害者の身内や知り合いからの依頼である、いわゆる“身内案件”との説明をしたうえで、《イケメンのやつだから、ボコボコにして、しばって、その姿を写真にとって送れ》と指示していたのです」(同前)

 犯人らの目論見は、大川が反撃に出たことで失敗に終わったが、最近の“闇バイト強盗”に見られるように、縛ったうえで暴行を加えようとしていたことがわかる。

 この証言を知った大川は、困惑を隠せない様子でこう語る。