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「小林麻央さんの訃報がショックで、セルフチェックをしたら」――元SKE48メンバー矢方美紀、乳がんを語る #2

矢方美紀インタビュー #2

2018/06/19
note

仕事を辞めなくちゃいけないのかな

──SKE48を卒業して、やっとこれから自分の目標に向かって進もうというタイミングで、仕事に対する不安も大きかったのでは。

矢方 最初は、仕事を辞めて治療に専念しなくちゃいけないのかな、と思いました。でも私は仕事が好きなので、担当の先生にその気持ちを話したら「お仕事は辞めなくて大丈夫ですよ」と言っていただいて。仕事と治療を両立させながら病気と向き合っていけるなら、頑張ろうと思いました。

 

──仕事と治療の両立は、就労世代のがんサバイバーの方にとって大きなテーマでもあります。

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矢方 これから抗がん剤治療が始まると、副作用が仕事にどこまで影響するかわからないので、そのあたりはすごく心配ですけど、でも今日みたいに東京からわざわざ名古屋まで「がんについてお話を聞かせてください」って取材に来てくださるとか、想像もしていなかったご縁をいただくようにもなったので、何とかなるかなと思うようにしています。私生活でも、自分から言わなければ何も変わらないので、あまり病気のことばかりを考えないようにしています。

全摘出とリンパ節の切除を決断した理由

──女性は特に外見の変化も気になります。矢方さんは左乳房の全摘出とリンパ節切除の手術もご自分で決断されたそうですが、ほかの治療方法を選択しなかったのはなぜですか。

矢方 一部を残す治療法もあったんですが、全摘出よりも再発率が高くなるんです。それに、ずっと体の中に悪いものがあるのは、すごく嫌だなと思って。胸がなくなるのはショックだけど、それよりも病気を治したいという気持ちの方が強かったんですね。全摘出しても再建という方法もあるという話や、手術して完治された方の話も聞いたりして、だったら1回全部取って病気を治してから考えようと、全摘出を選びました。