「いま息子には帝王学を学んでもらっています」
PPIHは、今年9月に安田氏の長男・裕作氏が、22歳の若さで非常勤取締役に就任したことが話題になった。だが、安田氏はPPIHの後継者は、経営と資本で分けると明かした。
「私は、会社の経営と資本は別でいいと思っています。経営では、衆望を集めて、集団運を醸成できる人がトップに立つべきです。個人の能力は二の次でいい。それよりも周囲に、『この人のためなら、一肌も二肌も脱ぎます』と言わせる経営者こそ、運が開けるし、運をつかめる。
経営者は社員から選べばいいのですが、資本の継承は運というよりは運命なので、これは少し話が違ってきます。私の株を受け継ぐのは息子です。だから、長男を取締役にして、主だった人に紹介して回っています。いきなり『大株主です』と言われても、経営陣も困るでしょう。資本の立場から経営を見ていかないといけないので、いま息子には帝王学を学んでもらっています」
「後継者も革命ができる人がいい」
一方の似鳥氏は、今年1月にニトリHD会長を務めながら株式会社ニトリの社長を兼任することを発表。社長への返り咲きはおよそ10年ぶりで、同社の社長だった武田政則氏はニトリHDの副社長に就任し、海外事業に力を入れることになった。後継者問題をどう考えているのか、似鳥氏は次のように語る。
「長男は、私の個人会社の社長をしていますが、創業家経営は一代限りで、長男には継がせません。株主としてニトリの動向をチェックして欲しいと頼んでいます。だから、後継者問題は永遠のテーマですね。
安田さんも私も、新たな事業を興した革命家でしょう。後継者も革命ができる人がいい。子会社を任せて、今までのやり方を壊して新しいことを始められる。そんな人材が出てくることを願っています」
11月9日発売の「文藝春秋」12月号に掲載されている対談「ドンキとニトリで、目指せ地球制覇!」では、両氏の考える、運を引き寄せる人・引き寄せない人の特徴や、停滞する日本経済への提言など、余すことなく語り合っている。(「文藝春秋 電子版」は11月8日先行公開)
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