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「使いものにならん。ニセモノや」

 須藤が「裏2ちゃんねる」に載っていた密売人の連絡先に電話をしたのは、4月7日19時16分のこと。和歌山県田辺市の路上で受け渡しをしたAと、トバシの携帯電話で注文を受けたBの密売人2人は、ともに検察側の証人として法廷に立っている(#6)。

 以降の取引状況は、金額や量に認識の違いはあるものの、AやBの法廷証言ともほぼ一致。須藤は日付が変わった4月8時の午前0時過ぎ、田辺市内の路地でAから“注文の品”を受け取った。ただし、Aは法廷で「本物の覚醒剤を売った」と言い、Bは「氷砂糖を砕いた偽物だった」と証言は食い違う。

77歳で亡くなった野崎氏

「帰宅して、受け取った封筒の中を見ると、ティッシュの塊があり、開いたらビニール袋の中に透明な結晶が入っていました。社長は寝ている時間ですし、とりあえず私も寝ました。その封筒は起きて夕方くらいに社長に渡しました。2階の社長の部屋で2人だけの時です。社長は『ありがとうございます』と言って受け取りました」(同前)

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 翌日4月9日の夕食の時。

「社長から『あれ、使いもんにならん。ニセモンや。もうお前には頼まん』と言われました。X子さんの調書を見ると、社長が覚醒剤をやっているんだと言っていたみたいで、それがだいたい同じ時期でした」(同前)

 それ以降、野崎氏から覚醒剤の話をされたことはないという。

 また、須藤は、5月6日に野崎氏が溺愛していた愛犬イブが死んだ時から、本人の様子がおかしくなったとも証言した。