──にしおかさん自身が体調を崩された時期はありましたか?
にしおか たまにはありますけど、大体そういうときって何かが欠けてるんですよね。食べ物が雑になってるとか、睡眠不足、運動不足だったりとか……。私の場合、運動不足が一番多いかもしれないですね。ちゃんと時間が作れないと運動しないから。
──フルマラソンも趣味にされていましたよね。2019年の3時間05分という記録は相当トレーニングした人しか出せない記録だと思います。
にしおか 仕事が暇だったんで、練習時間がすごいあったんですよ(笑)。もともと運動というか汗をかくのは好きですけど、走ること自体はしんどいし、そんなに好きでもなかったんですよね。でもフルマラソンの大会を仲間と一緒に走ったり、その後のご飯や温泉は大好きです。またいつかできたらなとは思いますけど。
「疲れとかしんどさって毎日ちょっとずつ溜まっちゃうので」
──やはり今の生活だと、まとまった時間を作るのは難しいですか?
にしおか もう、無理やり作るっていう感じです。自分が元気でいるために息抜きは絶対必要なんで、時間がなくても作る。
疲れとかしんどさって毎日ちょっとずつ溜まっちゃうので、 “これが辛い”っていう明確なシグナルはあんまりなくて、いつの間にか疲れちゃう。それが続くとどんどん病んでいっちゃうから、「今疲れてるな」と気付いた時点で早めにリセットする、を繰り返してます。
──そのサイクルをうまく回せているんですね。
にしおか しんどいのが溜まりすぎると戻ってこれなくなるだろうから、「私今しんどいかも」って思えてるうちに戻すっていうのは意識してますね。
──生活の中で「もう少しこうなればいいのにな」と思うことはありますか?
にしおか これは自分に対してなんですけど、認知症の知識を本や病院で知ると、“症状”ばっかり気になって母という人間をちゃんと見れてないなと思う時があって、反省します。
知ることで選択肢も広がるので、正しい認知症の知識は必要だと思うんですよ。でも、母がどういう人で、何が好きで何が嫌いで、どういうふうに生きてきたから今こういう発言をするんだってことのほうが大事だと思います。
もし自分が認知症になったときに、「症状あるある」で何かを決め付けられたり、誰も“私”を見てくれないのはすごく寂しいなと思って。
だから、私も社会も、症状じゃなくて本人を見るような寄り添い方にもっとなっていくといいなと思います。